方針
4次方程式は2つの2次方程式の積である。虚数解を持たないと仮定すると、両方の2次方程式が実数解だけを持つ必要があるので、それぞれの判別式を調べる。第一の2次式からは cosθ≧(5−1)/2、第二の2次式からは tanθ≧3 が必要になる。これらを角度範囲に戻し、60∘ を境に矛盾することを示す。
解答
与えられた4次方程式が虚数解を持たないと仮定する。このとき、積を作っている2つの2次方程式 x2−2(cosθ)x−cosθ+1=0 と x2+2(tanθ)x+3=0 はいずれも実数解を持たなければならない。
まず、第一の2次方程式の判別式は{−2cosθ}2−4⋅1⋅(−cosθ+1)=4(cos2θ+cosθ−1)である。したがって cos2θ+cosθ−1≧0 が必要である。ここで 0≦θ<90∘ より cosθ≧0 だから、2次不等式の解から cosθ≧2−1+5 を得る。また 2−1+5>21 であるから cosθ>21 となり、0≦θ<60∘ でなければならない。
一方、第二の2次方程式の判別式は (2tanθ)2−4⋅1⋅3=4(tan2θ−3) である。これが0以上であるためには tan2θ≧3 が必要である。0≦θ<90∘ では tanθ≧0 だから tanθ≧3 であり、60∘≦θ<90∘ となる。
これは先ほど得た 0≦θ<60∘ と両立しない。よって、2つの2次方程式がともに実数解だけを持つことはできない。したがって、与えられた4次方程式は 虚数解を少なくとも1つ持つ ことが示された。
総評
難度4、計算量4。目安時間は12分。積で表された4次方程式を、2つの2次方程式の判別式に分けて考える問題である。「虚数解を少なくとも1つ持つ」を直接追うより、虚数解がないと仮定して両方の判別式が非負になる条件をぶつける方が短い。cosθ>1/2 と tanθ≧3 の端点が同じ 60∘ に来るので、前者が厳密に <60∘、後者が ≧60∘ であることを書くのが採点上の要点である。
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出典: 京都大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。