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京都大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

tを実数とする.y=x3xのグラフCへ点P(1,t)から接線を引く.

(1) 接線がちょうど1本だけ引けるようなtの範囲を求めよ.

(2) tが(1)で求めた範囲を動くとき,
P(1,t)からCへ引いた接線とCで囲まれた部分の面積をS(t)とする.
S(t)の取りうる値の範囲を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

関数微分積分 接線・法線微分による最大最小面積計算、パラメータ処理

方針

接点の x 座標を a とおき、点 P(1,t) を通る接線の条件から t=2a3+3a21 を得る。接線の本数は、この3次関数 g(a) と水平線 y=t の交点数で判定する。(2) では曲線と接線の差が (xa)2(x+2a) と因数分解できるため、交点 x=a,2a の間で積分して面積を a の式にし、(1) の範囲に対応する a の範囲から値域を決める。

解答

(1)

接点の x 座標を a とする。曲線 C:y=x3x の導関数は y=3x21 であるから、x=a における接線は y=(3a21)(xa)+a3a である。整理すると y=(3a21)x2a3 となる。この直線が P(1,t) を通る条件は t=(3a21)2a3=2a3+3a21 である。 g(a)=2a3+3a21 とおくと g(a)=6a(a1) である。したがって g(a)a<0 で減少、0<a<1 で増加、a>1 で減少し、g(0)=1,g(1)=0 である。よって方程式 g(a)=t の実数解がちょうど1つとなるのは、水平線 y=t が極小値より下、または極大値より上にあるときである。

したがって t<1またはt>0 である。なお t=1,0 では重解を含むが、異なる接線は2本存在するので含めない。

(2)

次に面積を求める。接点 a における接線と曲線の差は(x3x){(3a21)x2a3}=x33a2x+2a3=(xa)2(x+2a)である。したがって接線と曲線の交点の x 座標は x=ax=2a である。囲まれた部分の面積は、符号を考えて絶対値をつければ S=2aa(xa)2(x+2a)dxである。積分を実行すると(xa)2(x+2a)dx=(x33a2x+2a3)dx=x443a2x22+2a3xであるから 2aa(xa)2(x+2a)dx=274a4となる。よって S=274a4 である。

(1) の範囲に対応する a の範囲を確認する。t>0 のときは g(a)=t の唯一の解が a<12 にある。実際、g(12)=0 であり、a<0 では g は減少するからである。また t<1 のときは唯一の解が a>32 にある。実際、g(32)=1 であり、a>1 では g は減少する。

したがって、(1) の範囲で得られる aa<12またはa>32 である。このうち a<12 の側だけで a4(12)4 より大きい任意の値をとり、a はいくらでも大きくできる。よって S=274a4>274116=2764 であり、逆に任意の S>2764a<12 を適当に取ることで実現できる。したがって S(t) の取りうる値の範囲は 2764<S(t) である。

総評

難度6、計算量6。目安時間は25分。接線の本数判定と面積計算を同じ接点パラメータ a で処理できるかが中心である。端点 t=1,0 は接点方程式に重解が出るため見落としやすいが、接線が1本ではないので除外する必要がある。(2) では t から直接面積を出そうとすると煩雑になるため、a の範囲に戻して S=27a4/4 の値域を読むのが整理しやすい。下端 27/64 は近づくだけで到達しない点も答案に明記したい。 接点パラメータの3次関数を図示し、水平線との交点数が変わる境界を視覚化した。面積積分の既存答案にあった符号誤記も訂正した。

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出典: 京都大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。