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京都大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

座標空間における次の3つの直線lmnを考える:

lは点A(1,0,2)を通り,
ベクトルu=(2,1,1)に平行な直線である.

mは点B(1,2,3)を通り,
ベクトルv=(1,1,1)に平行な直線である.

nは点C(1,1,0)を通り,
ベクトルw=(1,2,1)に平行な直線である.

Pl上の点として,Pからmnへ下ろした垂線の足をそれぞれQRとする.
このとき,PQ2+PR2を最小にするようなPと,そのときのPQ2+PR2を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル ベクトル成分計算内積の利用微分による最大最小

方針

P を直線 l 上のパラメータ s で表し、垂線の足 Q,R をそれぞれ直線 m,n 上のパラメータで置く。垂線条件は「結ぶベクトルが直線の方向ベクトルと直交する」ことなので、(PQ)v=0(PR)w=0 から足を決める。最後は PQ2+PR2s の2次式になるため、平方完成により最小値とそのときの P を求める。

解答

Pl 上にあるので P=A+su=(1+2s,s,2s) とおく。

まず、m 上の点を Q=B+tv=(1+t,2t,3+t) とおく。QP から m に下ろした垂線の足であるためには、PQm の方向ベクトル v=(1,1,1) と垂直であること、すなわち (PQ)v=0 が必要十分である。ここで PQ=(2st,s2+t,1st) だから (2st)(s2+t)+(1st)=33t である。したがって t=1 となり、Q=(2,1,2) である。このとき PQ=(2s1,s1,s) よりPQ2=(2s1)2+(s1)2+s2=6s26s+2である。

次に、n 上の点を R=C+rw=(1+r,1+2r,r) とおく。垂線条件は (PR)w=0 である。ここで PR=(2sr,s+12r,2sr) だから (2sr)+2(s+12r)+(2sr)=3s6r である。したがって r=s2 となる。よって R=(1+s2,1+s,s2) であり、PR=(3s2,1,23s2) だからPR2=(3s2)2+1+(2+3s2)2=92s2+6s+5である。

したがってPQ2+PR2=(6s26s+2)+(92s2+6s+5)=212s2+7となる。これは s=0 のとき最小である。したがって求める点は P=(1,0,2) であり、そのときの値は PQ2+PR2=7 である。

別解

解法2(点と直線の距離)

方針

垂線の足そのものを求めず、点と直線の距離をベクトルの射影で直接表す。直線上の点を P=A+su とおき、方向ベクトル d の直線までの距離の平方X2(Xd)2d2を直線 m,n にそれぞれ適用する。2つの距離平方を足すと1次の項が消え、最小値が直ちに読める。

解答

直線 l 上の点をP=A+su=(1+2s,s,2s)とおく。点 P から、点 B を通り方向ベクトル v をもつ直線 m までの距離の平方はPQ2=PB2{(PB)v}2v2である。

ここでPB=(2s,s2,1s),(PB)v=3,v2=3だからPQ2={6s26s+5}323=6s26s+2.同様に、点 C を通り方向ベクトル w をもつ直線 n についてPC=(2s,s+1,2s),(PC)w=3s,w2=6である。したがってPR2={6s2+6s+5}(3s)26=92s2+6s+5.よってPQ2+PR2=212s2+7である。最小値は s=0 のときの 7 であり、このときP=A=(1,0,2)となる。

総評

難度5、計算量5。目安時間は20分。空間ベクトルの垂線条件を内積で処理する標準問題で、足の位置を先に決めてから距離を計算する流れが最も安定する。Q のパラメータが s に依存せず t=1 になる点、R のパラメータが r=s/2 になる点を取り違えると最後の2次式が崩れる。計算欄では PQPR を成分ごとに並べ、内積条件と距離計算を分けて書くと減点されにくい。 第2解法では射影を用いた点と直線の距離公式により、垂線の足を求めずに同じ2次式を得た。

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出典: 京都大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。