Evolton

京都大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

実数の定数abに対して,関数f(x)f(x)=ax+bx2+x+1で定める.すべての実数xで不等式f(x)f(x)32f(x)2+2が成り立つような点(a,b)の範囲を図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

方程式・不等式関数図形と方程式 必要十分条件判別式、範囲評価

方針

まず不等式を y=f(x) の条件として読み替え、y32y2y+2=(y2)(y1)(y+1) の符号から許される y の範囲を調べる。f(x) は全実数で連続で、x で0に近づくため、値域が [2,) 側へ入ることはできず、結局 1f(x)1 が全実数で成り立つ条件に帰着する。分母 x2+x+1 は常に正なので、2つの2次式が常に非負である条件を判別式で表し、(a,b) の範囲を図示する。

解答

y=f(x) とおく。与えられた不等式は yy32y2+2 すなわち y32y2y+20 である。左辺は y32y2y+2=(y2)(y1)(y+1) と因数分解できるので、符号を調べると 1y1または2y である。

ここで x2+x+1=(x+12)2+34>0 であるから、f(x) はすべての実数 x で定義される連続関数である。また limx±f(x)=0 である。もしある xf(x)2 となるなら、無限遠で0に近づくことと連続性により、途中で 1<f(x)<2 となる点が存在してしまう。しかしこの範囲の y は不等式を満たさない。したがって、すべての実数 x で不等式が成り立つための条件は 1f(x)1 がすべての実数 x で成り立つことである。

分母は常に正なので、f(x)1ax+bx2+x+1 すなわち x2+(1a)x+(1b)0 がすべての実数 x で成り立つことと同値である。これは上に開く2次式だから、判別式が0以下であればよい。よって (1a)24(1b)0 すなわち b1(a1)24 である。

同様に、1f(x)(x2+x+1)ax+b すなわち x2+(1+a)x+(1+b)0 がすべての実数 x で成り立つことと同値である。したがって (1+a)24(1+b)0 より b(a+1)241 である。

以上より求める範囲は (a+1)241b1(a1)24 である。この2つの放物線が囲む部分を図示すると、次の斜線部になる。

上下の境界が交わる条件は (a+1)241=1(a1)24 であり、これより a2=3 となる。したがって図では 3a3 の範囲で、下に凸の放物線 b=(a+1)241 以上、上に凸の放物線 b=1(a1)24 以下の閉じた領域を塗ればよい。境界線もすべて含む。

総評

難度6、計算量5。目安時間は22分。最初に f(x) の値域条件へ変換する発想が重要である。因数分解だけを見ると [2,) も許されるが、f(x) が連続で無限遠で0へ近づくため、その側へ飛び込むには禁止区間 (1,2) を通らなければならない。この一言を省くと条件が甘くなる。あとは 1f(x)1 を、分母が常に正であることを使って2つの2次式の非負条件に直すだけである。図示では境界を含むこと、交点が a=±3 であることを明確にしたい。 条件を満たす閉領域を実際の放物線2本とともに図示し、境界を含むことが目で確認できるようにした。

冊子PDFで見る京大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。