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京都大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

次の2つの条件を同時に満たす四角形のうち面積が最小のものの面積を求めよ.

(a) 少なくとも2つの内角は90である.

(b) 半径1の円が内接する.
ただし,円が四角形に内接するとは,円が四角形の4つの辺すべてに接することをいう.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

図形と方程式 三角比の利用不等式評価図形的解釈

方針

内接円の半径が1である四角形では、面積は「半周長」と等しい。各頂点で、内角を θ とすると、その頂点から隣の接点までの接線長は cot(θ/2) で表せる。したがって面積を4つの cot(θ/2) の和に直し、少なくとも2つの角が直角であることと、四角形の内角和が 2π であることから下限を出す。等号が正方形で実現することも最後に確認する。

解答

内接円の半径を r、四角形の半周長を s とすると、内接円を中心に4つの三角形へ分けることで 面積=rs である。いま r=1 なので、面積は半周長 s に等しい。

四角形の内角を A,B,C,D とする。ある頂点の内角を θ とし、その頂点から内接円への2本の接線の接点までの長さを l とする。中心は角の二等分線上にあり、半径は接線に垂直であるから、直角三角形で tanθ2=1l となる。したがって l=cotθ2 である。

四角形の各辺は、両端の頂点から接点までの接線長の和である。よって半周長は、各頂点から出る接線長を1回ずつ足したものになり、面積 SS=cotA2+cotB2+cotC2+cotD2 である。

少なくとも2つの内角が直角であるから、その2つを A,B としてよい。すなわち A=B=π2 である。このとき内角和より C+D=2ππ2π2=π である。したがって cotA2+cotB2=cotπ4+cotπ4=2 である。

さらに u=C/2 とおくと、D/2=π/2u であり、0<u<π/2 である。よってcotC2+cotD2=cotu+cot(π2u)=cotu+tanuである。ここで tanu>0 なので cotu+tanu=1tanu+tanu2 であり、等号は tanu=1、すなわち u=π/4 のときに成り立つ。

したがって S2+2=4 である。半径1の円に外接する正方形を考えると、その一辺は2であり、面積は 22=4 である。この四角形は条件(a)(b)を満たすので、求める最小面積は 4 である。

総評

難度6、計算量4。目安時間は20分。正方形が候補であることはすぐ見えるが、最小性の証明が本題である。内接円半径1から面積を半周長へ変換し、各頂点の接線長を cot(θ/2) と表すと不等式に落ちる。直角が3つ以上ある場合も、直角2つを選べば残り2角の和は π なので同じ議論で処理できる。等号条件が正方形で実現することまで書くと答案が完結する。

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出典: 京都大学 2015年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。