方針
縦に切って面積を積分する。まず∣x∣≦1なので−1≦x≦1で考え,曲線y=x3+x2−xが円x2+y2≦2の内部にあることを確認する。これにより,各xで求める縦の長さは2−x2−(x3+x2−x)になる。円弧部分は半径2の扇形と三角形で評価し,多項式部分では奇関数x3−xの積分が消えることを使う。
解答
領域は∣x∣≦1を満たすので,xの範囲は −1≦x≦1 である。この範囲で,曲線 y=f(x)=x3+x2−x が円x2+y2≦2の内部にあることを確認する。実際,2−x2−f(x)2=2−x2−(x3+x2−x)2=(1−x2)(x4+2x3+2)である。−1≦x≦1では1−x2≧0であり,ここでh(x)=x4+2x3+2とおくと,h′(x)=2x2(2x+3)≧0であるから,[−1,1]でh(x)≧h(−1)=1>0である。したがって曲線Cは円の内部または境界上にある。
よって,各xにおいて曲線の上側にある部分の縦の長さは 2−x2−(x3+x2−x) である。したがって求める面積Sは S=∫−11{2−x2−(x3+x2−x)}dx である。
まず円弧部分を計算する。y=2−x2は半径2の上半円であるから,∫012−x2dx=4π+21 である。これは中心角π/4の扇形の面積π/4と,直角二等辺三角形の面積1/2の和である。したがって∫−112−x2dx=2(4π+21)=2π+1となる。
次に多項式部分は ∫−11(x3+x2−x)dx=∫−11x2dx=32 である。ここでx3−xは奇関数なので,[−1,1]での積分は0である。
以上より S=(2π+1)−32=2π+31 である。
別解
解法2
方針
xと−xの縦の長さを一組にして積分する対称性の解法。曲線の奇関数部分を積分後に消すのではなく,左右の縦線分を足した段階で相殺する。これにより積分区間を[0,1]にまとめ,円弧部分は扇形と三角形で求める。
解答
f(x)=x3+x2−xとおく。まず解法1と同じ因数分解2−x2−f(x)2=(1−x2)(x4+2x3+2)≧0により,−1≦x≦1では曲線が円の内部にあることを確認できる。
0≦x≦1に対し,位置xと−xでの領域の縦の長さを足す。円の上端は左右で等しく,f(x)+f(−x)=(x3+x2−x)+(−x3+x2+x)=2x2である。したがって左右一組の縦の長さは22−x2−2x2となる。よって面積SはS=2∫01(2−x2−x2)dxである。y=2−x2は半径2の円の上半分であり,0≦x≦1の下の面積は,中心角π/4の扇形と底辺・高さがともに1の直角三角形の和である。したがって∫012−x2dx=4π+21,∫01x2dx=31.以上よりS=2(4π+21−31)=2π+31.この方法では,曲線の奇関数部分x3−xが左右の縦線分を組にした時点で消える。
総評
難度4,計算量4。目安時間は15分。面積公式に入る前に,曲線が円の上端より下かつ下端より上にあることを確認するのが安全である。ここを省くと,曲線が円の外へ出る場合の処理を見落とした答案に見える。計算面では,上半円の積分を扇形と三角形で処理し,多項式では奇関数部分を消すと短い。境界x=±1で曲線と円が接するが,面積には影響しない。
冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。