京都大学 2017年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系学部
- 分野
- 積分、関数
- 解法
- 面積計算、微分による最大最小、絶対値の処理
- 難易度
- 7 / 10 計算量 5 / 10 目安 27分
問題
a≧0 とする。0≦x≦2 の範囲で、曲線
y=xe−x,
直線 y=ax、直線 x=2 によって囲まれた部分の面積を S(a) とする。
このとき、S(a) の最小値を求めよ。
ここで「囲まれた部分」とは、上の曲線または直線のうち2つ以上で囲まれた部分を意味するものとする。
出典:京都大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
解法1
囲まれた面積は,2つの関数xe−xとaxの差の絶対値を0≦x≦2で積分したもの,つまりS(a)=∫02x∣e−x−a∣dxである。最小値はaがe−2から1の間にあるときに生じるので,交点c=−logaを置く。aを少し動かしたときの面積変化,またはS′(a)=0から,重みxの左右の和が等しくなる条件∫0cxdx=∫c2xdxを得る。これよりc=1,a=e−1を求め,最後に面積を計算する。
解法2
面積を S(a)=∫02x∣e−x−a∣dx とし、a に関する凸関数として扱う。微分は「a より上にある部分」と「下にある部分」の重みの差になる。零点は重み x を左右に等分する位置 c=1 であり、凸性から大域的最小と分かる。
解答
解法1
曲線と直線はともに原点を通る。またx=2で閉じられるので,面積は S(a)=∫02x∣e−x−a∣dx と表せる。
まず最小となるaの位置を考える。a≧1なら0<x≦2でa≧e−xとなり,aを小さくすると面積は小さくなる。したがって最小はa≧1では起こらない。また0≦a≦e−2ならe−x≧aが区間全体で成り立ち,aを大きくすると面積は小さくなる。したがって最小は e−2<a<1 で起こる。
この範囲では,交点を c=−loga とおくと 0<c<2,a=e−c である。0≦x<cではe−x>a,c<x≦2ではe−x<aだから S(a)=∫0cx(e−x−a)dx+∫c2x(a−e−x)dx である。 aで微分すると,交点での境界項は差が0なので消え,S′(a)=−∫0cxdx+∫c2xdx である。最小となるときはS′(a)=0であるから ∫0cxdx=∫c2xdx である。したがって 2c2=22−c2 より c=1 である。よって a=e−1 で最小となる。
このとき
Smin=∫01x(e−x−e−1)dx+∫12x(e−1−e−x)dx
である。部分積分により ∫xe−xdx=−(x+1)e−x だから ∫01xe−xdx=1−e2 であり,∫12xe−xdx=e2−(1+2)e−2 である。したがって
Smin=(1−e2−2e1)+(2e1−e2+(1+2)e−2)
となり,整理して Smin=1−e4+(1+2)e−2 である。
解法2
面積は
である。各 x に対して ∣e−x−a∣ は a の凸関数なので、S(a) も凸関数である。したがって、微分係数が0となる点があれば、それが大域的な最小点である。
e−2<a<1 とし、
c=−loga
とおく。e−x>a は x<c、e−x<a は x>c と同値である。よって
S′(a)=−∫0cxdx+∫c2xdx=−2c2+22−c2=1−c2.
したがって S′(a)=0 は c=1、すなわち
a=e−1.
凸性より、ここで最小となる。
最小値は
Smin=∫01x(e−x−e−1)dx+∫12x(e−1−e−x)dx.
∫xe−xdx=−(x+1)e−x
を用いて計算すると