方針
接点のx座標をtとおき,接線が点P(3,0)を通る条件を立てる。候補のうち接線の傾き3t2−4が負になるものだけを選ぶ。接線が決まったら,曲線と接線の差を因数分解し,重接点からもう一つの交点までの符号を確認して面積を積分する。
解答
接点のx座標をtとする。曲線 y=x3−4x+1 の導関数は y′=3x2−4 であるから,接点における接線の傾きは3t2−4である。接線は y=t3−4t+1+(3t2−4)(x−t) であり,これが点P(3,0)を通るので 0=t3−4t+1+(3t2−4)(3−t) である。整理すると −2t3+9t2−11=0 すなわち (t+1)(2t2−11t+11)=0 である。
候補は t=−1,t=411±33 である。接線の傾きは3t2−4であり,負になるのは t=−1 のときだけである。実際,t=−1では傾きは−1である。
したがって接線は,接点(−1,4)を通り傾き−1の直線 y=−x+3 である。曲線と接線の差を計算すると (x3−4x+1)−(−x+3)=x3−3x−2=(x−2)(x+1)2 である。よって交点はx=−1とx=2で,x=−1は接点なので重解になっている。 −1<x<2では(x−2)(x+1)2<0であるから,接線の方が曲線より上にある。したがって求める面積は S=∫−12{(−x+3)−(x3−4x+1)}dx である。被積分関数は −x3+3x+2 なので S=[−4x4+23x2+2x]−12 である。上端では −424+23⋅22+2⋅2=6 であり,下端では −4(−1)4+23(−1)2+2(−1)=−43 である。したがって S=6−(−43)=427 である。
別解
解法2
方針
3次関数と接線の差は接点を2重根にもつことを利用する。接点を t とすると差は (x−t)2(x+2t) と一気に因数分解できる。点 P を通り傾きが負となる接線を決定した後、u=x+1 と置いて面積積分を短く計算する。
解答
f(x)=x3−4x+1 とする。接点の x 座標を t とすると、接線はy=f(t)+f′(t)(x−t).これが (3,0) を通る条件はf(t)+f′(t)(3−t)=0.整理すると(t+1)(2t2−11t+11)=0.傾き f′(t)=3t2−4 が負になるのは t=−1 だけである。したがって接線はl: y=−x+3.3次関数と接線の差は接点 x=t を2重根にもつ。実際、一般にf(x)−{f(t)+f′(t)(x−t)}=(x−t)2(x+2t)である。t=−1 を代入するとf(x)−l(x)=(x+1)2(x−2).よってもう1つの交点は x=2 であり、−1<x<2 では接線が上にある。
したがってS=∫−12(2−x)(x+1)2dx.u=x+1 とおくとS=∫03(3−u)u2du=[u3−4u4]03=27−481=427.
総評
難度5,計算量4。目安時間は15分。接線条件から複数の候補が出るので,傾きが負であるという条件でt=−1だけを選ぶのが最初の採点点である。面積計算では,接点が重解になるため交点は−1,2だけで十分だが,どちらが上にあるかを(x−2)(x+1)2の符号で確認しておきたい。最後の定積分は数値代入の符号ミスが起こりやすい。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2017年度 前期 文系数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。