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京都大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

p,q を自然数、α,βtanα=1p,tanβ=1qを満たす実数とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 条件(A)tan(α+2β)=2を満たす p,q の組 (p,q) のうち、q3 であるものをすべて求めよ。

(2) 条件 (A) を満たす p,q の組 (p,q) で、q>3 であるものは存在しないことを示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安23

三角関数整数 式変形、剰余分類、範囲評価

方針

q=1では2βが直角方向になり,条件を満たさないので先に除く。q>1ではtan2βqで表し,加法定理でtan(α+2β)=2p,qの式に直す。得られたp=q2+4q12(q2q1)について,(1)ではq=2,3を確認し,(2)ではq=4,5,6の範囲とq7の評価で自然数にならないことを示す。

解答

(1)
まずq=1のとき,tanβ=1であるから,2βπ/2と同じ向きになる。このとき tan(α+2β)=1tanα=p となり,2にはならない。よってq=1は不適である。

以下q>1とする。倍角の公式より tan2β=2tanβ1tan2β=2qq21 である。加法定理からtan(α+2β)=1p+2qq2112qp(q21)である。これが2に等しいので 1p+2qq2112qp(q21)=2 である。分母が0なら左辺は定義されないので,この等式のもとでは分母は0でない。整理すると q21+2pq=2p(q21)4q であり,2p(q2q1)=q2+4q1 を得る。したがって p=q2+4q12(q2q1) である。 q3q>1だから,q=2,3を調べる。q=2のとき p=112 で自然数ではない。q=3のとき p=2010=2 である。よって (p,q)=(2,3) である。

(2) q>3とする。まずq=4,5,6を直接確認する。上の式からq=4:p=3122,q=5:p=4438,q=6:p=5958であり,いずれも 1<p<2 なので自然数ではない。

次にq7とする。このとき q2+4q1<2(q2q1) が成り立つ。実際,右辺から左辺を引くと 2q22q2(q2+4q1)=q26q1 であり,q7なら正である。したがって 0<p<1 となり,自然数pは存在しない。

以上より,q>3で条件を満たす組は存在しない。

別解

解法2

方針

加法定理から得られる式を、大小評価ではなく整除条件で絞る。q>1 では p=q2+4q12(q2q1)。これを 2p1=5qq2q1 と変形し、gcd(q,q2q1)=1 から q2q15 を導く。

解答

(1) (2)をまとめて解く。
q=1 のとき tan2β は定義されず、tan(α+2β)=p2なので不適である。

q>1 とする。倍角公式と加法定理から2p(q2q1)=q2+4q1.したがって2p1=5qq2q1.p が自然数なら左辺は整数なのでq2q15q.ところがgcd(q,q2q1)=gcd(q,1)=1である。よってq2q15.q>1 では q2q1>0 なのでq2q1=1または5.前者から q=2 を得るが、p=112となり自然数ではない。後者から q=3 を得てp=2.したがって唯一の組は(p,q)=(2,3).ゆえに (1) の答えは (2,3) であり、同時に q>3 の解が存在しないことも示された。

総評

難度6,計算量5。目安時間は23分。加法定理の式を立てるだけでなく,q=1ではtan2βの式が使えないため,先に処理する必要がある。pqの有理式で表した後は,q=2,3q=4,5,6q7に分けると自然数条件を無理なく否定できる。分母を払う計算で符号を誤ると全体が崩れるので,式変形を省略しないこと。

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出典: 京都大学 2017年度 前期 文系数学 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。