Evolton

京都大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

四面体 ABCDAC=BD,AD=BCを満たすとし,辺 AB の中点を P,辺 CD の中点を Q とする。

(1)
AB と線分 PQ は垂直であることを示せ。

(2)
線分 PQ を含む平面 α で四面体 ABCD を切って2つの部分に分ける。このとき,2つの部分の体積は等しいことを示せ。

難易度7/ 10計算量4/ 10目安30

ベクトル図形と方程式 座標設定内積の利用図形的解釈

方針

中点 P を原点に取り,A,B を反対向きのベクトル a,a で表す。同様に Q の位置を q とし,C,Dq+c,qc と表す。辺長条件 AC=BDAD=BC を2乗して展開すると,q(ca)=0q(c+a)=0 が得られ,ここから qa=0 を導く。(2)は同時に qc=0 も出ることを用い,PQ を軸とする180度回転が ABCD を入れ替える対称性で体積を二等分する。

解答

(1)
P を原点とする。PAB の中点なので,あるベクトル a を用いて A=a,B=a と表せる。また Q の位置ベクトルを q とし,QCD の中点であることから,あるベクトル c を用いて C=q+c,D=qc と表す。

条件 AC=BD より q+ca2=qc+a2 である。右辺は q(ca)2 であるから,差を取ると 4q(ca)=0 すなわち q(ca)=0 である。

同様に AD=BC より qca2=q+c+a2 であり,これは q(c+a)=0 を与える。2つの式を引くと qa=0 である。

ここで PQ=q,AB=BA=2a である。したがって PQAB=0 となり,辺 AB と線分 PQ は垂直である。

(2)
上で得た2つの式 q(ca)=0,q(c+a)=0 を足すと qc=0 である。よって PQAB だけでなく CD にも垂直である。

直線 PQ を軸として空間を180度回転させることを考える。この回転では q の方向はそのまま保たれ,q に垂直な成分は符号が反対になる。いま acq に垂直であるから,この回転によってaa,q+cqcとなる。すなわち AB,CD である。

平面 α は軸 PQ を含むので,この180度回転で平面 α は自分自身に移る。また,この回転は平面 α の両側を入れ替える。したがって,平面 α によって分けられた四面体の2つの部分は,この回転により互いに移り合う。回転は体積を保つので,2つの部分の体積は等しい。

別解

解法2

方針

(1)P を原点として中点ベクトルを置き,2つの辺長条件の差から PQABPQCD を得る。(2)では PQz 軸,切断平面 αxz 平面に選ぶ。4頂点の座標が z 軸まわりの180度回転で2組に交換されることを座標で示し,平面の両側の体積が等しいと結論する。

解答

(1)

P を原点とし,A=a,B=a,Q=q,C=q+c,D=qcと表す。

AC=BD の両辺を2乗して差を取ると4q(ca)=0.同様に AD=BC からq(c+a)=0を得る。2式の差と和を取ればqa=0,qc=0.PQ=qAB=2a だからPQAB=0.したがって ABPQ である。

(2)

PQz 軸とし,PQ を含む平面 αxz 平面とするように直交座標を取る。P=(0,0,0)Q=(0,0,h) と書く。

上で a,c はともに q と垂直であることを示した。よって適当な実数 u,v,r,s によりA=(u,v,0),B=(u,v,0),C=(r,s,h),D=(r,s,h)と表せる。

z 軸まわりに180度回転する写像は(x,y,z)(x,y,z)である。この回転によりAB,CDとなるから,四面体 ABCD は自分自身に移る。一方,切断平面 αy=0 であり回転後も不変だが,y>0 の側と y<0 の側は交換される。

したがって,平面 α で切られた2つの部分はこの回転で互いに移り合う。回転は体積を保つので,2つの部分の体積は等しい。

総評

難度7、目安時間30分。(1)は辺長条件を2乗して差を取り,中点ベクトルとの内積だけを残す。2式の差と和から PQABPQCD が同時に得られる。(2)は PQ を軸とする180度回転が AB, CD を引き起こすことを,ベクトルでも直交座標でも示せる。切断平面が不変であること,その両側が交換されること,回転が体積を保存することの3点を明記する。

冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。