方針
絶対値の中の2次式を因数分解し,区間 [−1,1] 内で符号が変わる点を確認する。根は −1/2 と 1 であり,1 は積分区間の端点である。符号に合わせて [−1,−1/2] と [−1/2,1] に分け,後半は符号を反転して積分する。
解答
絶対値の中の式を因数分解すると x2−21x−21=(x−1)(x+21) である。よって根は x=−21,x=1 である。
区間 [−1,1] では,−1≦x≦−1/2 で (x−1)(x+21)≧0 であり,−1/2≦x≦1 で (x−1)(x+21)≦0 である。したがって求める積分を I とするとI=∫−1−1/2(x2−21x−21)dx−∫−1/21(x2−21x−21)dxである。
原始関数は 3x3−4x2−2x である。これを用いると∫−1−1/2(x2−21x−21)dx=4811であり,∫−1/21(x2−21x−21)dx=−169である。よって I=4811+169=2419 である。
別解
解法2(全区間の積分から負の部分を補正する)
方針
二次式を q(x) とおく。まず符号を無視した全区間の積分を対称性で求める。次に q(x)<0 となる区間だけを2回差し引けば,区間ごとに絶対値を直接積分する計算を短くできる。
解答
q(x)=x2−21x−21 とおく。因数分解するとq(x)=(x−1)(x+21)であるから,−1/2<x<1 で q(x)<0 である。
まず奇関数部分の積分が0になることを使うと∫−11q(x)dx=∫−11(x2−21)dx=−31である。また原始関数Q(x)=3x3−4x2−2xを用いると∫−1/21q(x)dx=Q(1)−Q(−1/2)=−169である。負の区間では符号を反転させるので,求める値は∫−11∣q(x)∣dx=∫−11q(x)dx−2∫−1/21q(x)dx=−31+89=2419である。
総評
難度3、計算量3。想定時間は10分程度。絶対値付き定積分の基本問題で,根と符号を正しく分ければよい。根の一つが積分区間の右端 1 にあるため,実際に区間内部で分割が必要なのは −1/2 だけである。符号反転を忘れると値が小さく出るので,区間ごとの正負を最初に明記するのが安全である。 零点は区間端の x=1 も含むため,符号反転区間は実質 [−1/2,1] である。区間積分は左側が 11/48,右側が −9/16 であり,絶対値を外した後の和が 19/24 になる。別解では全区間の積分から負部分を2倍補正して検算できる。
冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。