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京都大学 2023年度 前期日程 一般選抜理系数学 第5問

Oを原点とするxyz空間において,点Pと点Qは次の3つの条件(a),(b),(c)を満たしている.

(a) 点Px軸上にある.

(b) 点Qyz平面上にある.

(c) 線分OPと線分OQの長さの和は1である.

Pと点Qが条件(a),(b),(c)を満たしながらくまなく動くとき,
線分PQが通過してできる立体の体積を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

積分図形と方程式 体積計算座標設定微分による最大最小

方針

まず点 P が正の x 軸上にある場合を考え,後で負の x 軸側を対称性で2倍する。OP=aOQ=1a とし,固定した x 座標の断面で,線分 PQ が到達できる yz 平面方向の半径を最大化する。断面半径は (1a)(1x/a) なので,xa1 で微分して最大を求める。得られた断面円の面積を x で積分する。

解答

まず P が正の x 軸上にある場合を考える。OP=a とおくと,条件(c)より OQ=1a であり,0a1 である。Qyz 平面上で,原点を中心とする半径 1a の円周または円板上を動くと考えてよい。方向が自由に動くため,固定した x における断面は円になる。 P=(a,0,0) とし,線分 PQ 上で x 座標が x である点を考える。0xa のとき,その点は P から Q へ向かう比 1xa の位置にある。したがって,その点の yz 平面方向の距離は最大で (1a)(1xa) である。

固定した x に対し,許される axa1 であるから,断面半径 ρ(x)ρ(x)=maxxa1(1a)(1xa) である。ここで (1a)(1xa)=1+xaxa と変形できる。a で微分すると 1+xa2 である。0<x<1 では,この値は a=x で0になり,その前後で正から負へ変わる。したがって最大は a=x でとる。

このとき ρ(x)=(1x)(1xx)=(1x)2 である。端点 x=0,1 でもこの式で断面半径が表される。

よって,正の x 軸側で線分 PQ が通過してできる立体の体積は π01ρ(x)2dx=π01(1x)4dx である。u=x とおくと,x=u2dx=2udu であり,π01(1x)4dx=2π01u(1u)4du=2π(1243+3245+16)=π15である。

P は負の x 軸上にも同様に動ける。負の x 軸側でできる立体は正の側と合同であり,両者の共通部分は yz 平面上の断面だけで体積には影響しない。したがって求める体積は 2π15=2π15 である。

別解

解法2(相加相乗平均と円筒殻による方法)

方針

固定した x0 で到達できる半径を,微分の代わりに相加相乗平均で最大化する。得られた境界 r=(1x)2x=(1r)2 と解き直す。半径 r の円筒殻がもつ x 方向の長さを使い,円板法ではなく円筒殻法で体積を積分する。

解答

P が正の x 軸上にあり,OP=a とする。0xa1 のとき,平面 x=一定 上で線分 PQ が到達する半径は(1a)(1xa)=1+x(a+xa)である。相加相乗平均よりa+xa2xで,等号は a=x のときに成り立つ。0x1 なら xx1 なので,この a は許される。したがって断面の最大半径はr=(1x)2である。負の x 軸側も対称である。

境界式を x について解くと,半径 r の位置で立体が存在する範囲は(1r)2x(1r)2である。したがって半径 r,厚さ dr の円筒殻の周は 2πrx 方向の長さは 2(1r)2 である。よって体積はV=4π01r(1r)2dr=4π01(r2r3/2+r2)dr=4π(1245+13)=2π15.

総評

目安時間は25分程度。通過領域を直接想像するより,x 座標を固定した断面で見るのが有効である。P が正の x 軸上にある場合だけを先に処理し,最後に対称性で2倍する構成が安全。断面半径の最大化では,a の範囲が xa1 であることと,最大点 a=x がその範囲に入ることを確認するのが採点上重要である。 断面半径の包絡線を出す段階と,その領域を積分する段階が二つの難所である。円板法と円筒殻法の両方で2π/15が得られるため,境界式と体積を相互検算できる。

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出典: 京都大学 令和5年度一般選抜 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。