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京都大学 2023年度
理系数学 第6問

問題

を3以上の素数とする.また,を実数とする.

(1) の式として表せ.

(2) のとき,となるような正の整数が存在するか否かを理由を付けて判定せよ.

出典:京都大学 2023年度 前期日程 一般選抜 理系 第6問

方針

解法1(標準解法)

(1) は加法定理と倍角公式で の式にする。(2) は背理法で, の有理数倍だと仮定する。 とおくと, という漸化式を満たす。 と表し, から で割り切れないことを示し,周期性から生じる と矛盾させる。

解法2(整数係数多項式と有理数解による方法)

(1) は倍角公式から求める。(2) は と定める。加法定理から を示す。 は最高次係数1の整数係数多項式なので, が有理数なら が最高次係数1の整数係数方程式の有理数解となり,有理数解の性質に反する。

解答

解法1(標準解法)

(1)

とおく。加法定理より

である。また

である。したがって

である。

(2)

そのような正の整数 は存在しないことを示す。背理法で, となる正の整数 が存在すると仮定する。このとき とおけば である。 とおく。 なので である。また三角関数の和積公式から であるから すなわち である。

ここで と書く。 であり,漸化式に代入すると

だから である。よってすべての は整数である。

さらに について,この漸化式を で割った余りで見ると である。 だから帰納的に である。 は3以上の素数なので, で割り切れない。したがって ことが分かる。

一方,仮定より であるから である。したがって となり, である。これは で割り切れることを意味し,上で示した結論に反する。

よって となる正の整数 は存在しない。

解法2(整数係数多項式と有理数解による方法)

(1)

である。また

(2)

そのような正の整数 は存在しないことを示す。

多項式

で定める。加法定理から

であるから,帰納的に

が成り立つ。また漸化式から, では は最高次係数1の整数係数 次多項式である。

ここで となる正の整数 が存在すると仮定する。すると

である。 だから, は最高次係数1の整数係数多項式

の有理数解となる。

整数係数多項式の有理数解では,既約分数で表した分母は最高次係数を割り切る。ところが最高次係数は1であるから, は整数でなければならない。 は3以上の素数なので は整数ではなく,矛盾する。

したがって となる正の整数 は存在しない。