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京都大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

aa1を満たす定数とする.
座標平面上で,次の4つの不等式が表す領域をDaとする.x0,exex2y,yex+ex2,ya次の問いに答えよ.

(1) Daの面積Saを求めよ.

(2) limaSaを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

指数・対数積分 面積計算置換極限計算

方針

下側はexex2,上側はex+ex2と水平線y=aの小さい方である。a1なので,ex+ex2=aとなる点をAexex2=aとなる点をBとおくと,0xAでは上下の指数関数の差,AxBでは水平線y=aと下側の差を積分する。(2)では平方根の差が0に近づくことと,対数項が0に近づくことを不等式で押さえる。

解答

(1)
上側の曲線 ex+ex2aに等しくなる点をA,下側の曲線 exex2aに等しくなる点をBとおく。a1なのでA0であり,eA+eA2=a,eBeB2=a である。これを解くとA=log(a+a21),B=log(a+a2+1)である。

0xAでは,水平線y=aは上側の曲線より上にあるので,領域の高さは ex+ex2exex2=ex である。AxBでは,上側は水平線y=aになり,領域の高さは aexex2 である。したがって Sa=0Aexdx+AB(aexex2)dx である。

計算すると 0Aexdx=1eA であり,eA=a+a21より eA=aa21 である。またAB(aexex2)dx=a(BA)[ex+ex2]ABである。ここで eA+eA2=a,eB+eB2=a2+1 なので,AB(aexex2)dx=a(BA)a2+1+a である。

以上を合わせると Sa=1+a21a2+1+a(BA) であり,BA=loga+a2+1a+a21 だからSa=1+a21a2+1+aloga+a2+1a+a21である。

(2)
まず a2+1a21=2a2+1+a21 であるから,a21a2+10(a) である。

次に対数項を調べる。aが十分大きいとき,Ra=a+a2+1a+a21>1 であり,0<logRa<Ra1 である。またa2+1a21=2a2+1+a21<1a212aa2で成り立つ。またa+a21>aだから0<Ra1<2a2である。よって 0<alogRa<a(Ra1)<2a となり,alogRa0 である。

したがって limaSa=1+0+0=1 である。

図はa=2の例。A=log(a+a21)B=log(a+a2+1)

別解

解法2((2)の領域による別解)

方針

水平線の制限を外した無限帯の面積が1であることを上界にする。一方,0xAの曲線間の帯がDaに含まれることから1eAを下界とし,はさみうちを用いる。

解答

(1)
面積の式は解法1と同じである。

(2)
水平線y=aによる制限を外した領域は,x0sinhxycoshxを満たす帯であり,その面積は0(coshxsinhx)dx=0exdx=1である。したがってSa1である。

一方,A=log(a+a21)とすると,0xAでは水平線y=aが上側の曲線y=coshx以上にあるので,この区間の帯はすべてDaに含まれる。よってSa0Aexdx=1eAである。aならAであり,eA0だから1eASa1にはさみうちを適用してlimaSa=1を得る。

総評

双曲線関数型の2曲線と水平線で囲まれる面積を分割積分する問題。目安時間は25分。coshx=aの交点Asinhx=aの交点Bを区別し,[0,A]では曲線間の差ex[A,B]ではasinhxを積分する。極限は式から評価する方法に加え,1eASa1という幾何的なはさみうちが簡潔である。

公式出題意図との対応:公式は(1)で領域面積を定積分で正しく表して計算できるか,(2)で関数の極限を論理的に求められるかを見るとしている。解答では領域図,交点,積分区間,極限評価を明示した。

出典確認:公式問題PDF第3ページの理系第5問と原寸照合済み。公式資料は出題意図のみである。公式URLの保存版を用いた。

独立検算:a=1,2,5,10で定積分を数値計算し,閉じた式と一致した。既存稿の誤った評価a2+1a21<1/aを修正し,正しいO(1/a)評価と独立なはさみうちの双方で極限1を確認した。

冊子PDFで見る京大の指数・対数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 令和6年度一般選抜 数学(理系) 公式問題・出題意図等(大学公式の問題PDF(3ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。