方針
問1は z=2(cosθ+isinθ) と極形式でおき,z−zi2 を sin2θ の一次式まで落とす。絶対値そのものではなく2乗を最大・最小化すれば,平方根を取る段階で符号の心配がない。問2(1)は分子を3項に分け,x2+1xx2+1=x2+1x,x2+12x3=2x−x2+12x と整理して基本積分に帰着する。(2)は 0≦x≦2π で半角の正負が決まることを確認して tan2x に直す。半角公式を使わず,分子分母を有理化して 1+cosxsinx と見る別解も自然である。
解答
問1
z=2(cosθ+isinθ) とおく。このときzi=2i(cosθ−isinθ)=21sinθ+2icosθであるから,z−zi=(2cosθ−21sinθ)+i(2sinθ−21cosθ)である。したがってz−zi2=(2cosθ−21sinθ)2+(2sinθ−21cosθ)2=4(cos2θ+sin2θ)+41(sin2θ+cos2θ)−4sinθcosθ=417−2sin2θ.−1≦sin2θ≦1 であり,両端の値は実際にとれるので,49≦z−zi2≦425 となる。よって最小値は 23,最大値は 25 である。
問2
(1) まず被積分関数を3つに分けると,x2+1xx2+1+2x3+1=x2+1x+2x−x2+12x+x2+11である。ここで最後の積分では x=tant とおくと、端点は t=0,π/3 に対応するから∫03x2+1dx=∫0π/3dt=3π.ゆえに∫03x2+1xx2+1+2x3+1dx=∫03x2+1xdx+∫03(2x−x2+12x)dx+∫03x2+1dx=[x2+1]03+[x2−log(x2+1)]03+3π=(2−1)+(3−log4)+3π.したがって求める値は 4−log4+3π である。
(2) 0≦x≦2π では sin2x≧0,cos2x>0 である。半角公式より1+cosx1−cosx=2cos22x2sin22x=tan2xである。よって∫02π1+cosx1−cosxdx=∫02πtan2xdx=[−2log(cos2x)]02π=−2log22=log2.別解。問2(2)は有理化してもよい。0≦x≦2π では sinx≧0 だから1+cosx1−cosx=sin2x(1−cosx)2=sinx1−cosx=1+cosxsinxである。したがって∫02π1+cosxsinxdx=[−log(1+cosx)]02π=log2となり,同じ値を得る。
総評
公式の出題意図は、問1で複素数の基礎理解、問2で数学IIIの積分法の理解と計算力を問うとしている。複素数平面と積分の基本計算をまとめて処理する小問集合。目安時間は18分前後。問1は ∣⋯∣2 にしてから三角関数の範囲に帰着する部分が得点源で,zi の実部・虚部の符号を誤りやすい。問2(1)は原始関数を一つずつ明示すれば部分点を取りやすいが,2x3/(x2+1) の割り算を飛ばすと log4 の係数を落としやすい。(2)は半角公式の符号確認が必須であり,有理化による別解も含めて,端点で式が正しく扱えるかを確認したい。
複素数の両端値と2つの定積分を数値積分でも独立検算し、すべて一致した。
冊子PDFで見る京大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2025年度 一般選抜 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。