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九州大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

行列A=(1101)k 個の積を Ak とし、Sn=A+A2++An,Tn=S1+S2++Snとする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) Tn を求めよ。

(2) SnX=Tn を満たす行列 X を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安25

行列数列 数学的帰納法和の計算、計算整理

方針

Ak の形を数学的帰納法で確定し、Sn,Tn を成分ごとの和で求める。最後は Sn の逆行列を左から掛ける。

解答

(1)
直接計算からAk=(1k01)と予想できる。実際、この式が k で成り立つならAk+1=(1k01)(1101)=(1k+101),したがって数学的帰納法により正しい。

よってSn=(nn(n+1)20n).さらにm=1nm(m+1)2=n(n+1)(n+2)6だからTn=(n(n+1)2n(n+1)(n+2)60n(n+1)2).(2)Sn1=(1nn+12n01n)なのでX=Sn1Tn.積を計算すると、右上成分は(n+1)(n+2)6(n+1)24=n2112.したがってX=(n+12n21120n+12).\enlargethispage{4\baselineskip}

別解

解法2(零平方行列と成分比較)

方針

A=I+NN2=O と分解し、積の展開を一段で止める。Sn,Tn,XI,N の1次結合として扱い、係数を比較する。

解答

(1) I=(1001),N=(0100)と置くと A=I+NN2=O である。したがって積を展開したとき N2 以上の項は消え、Ak=(I+N)k=I+kN.よってSn=nI+n(n+1)2Nであり、さらにTn=n(n+1)2I+n(n+1)(n+2)6N.これは解法1の行列表示と同じである。

(2)
次に X=αI+βN と置く。N2=O よりSnX=nαI+{nβ+n(n+1)2α}N.これを Tn と比較するとnα=n(n+1)2,よってα=n+12.また N の係数からnβ+n(n+1)24=n(n+1)(n+2)6,したがってβ=n2112.ゆえにX=(n+12n21120n+12).

総評

原問題が行列を明示的に扱うため、この問だけで行列を使用した。目安時間は25分。通常解法では右上成分の二重和、別解では N2=O によって積が簡単になる構造が要点である。小さい n を代入して SnX=Tn を確認すると、右上成分の符号を検算できる。

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出典: 九州大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。