方針
(1) は整数点 と を代入し、列成分が整数であることを読む。(2) は逆変換にも同じ議論を適用して の成分も整数であることを示す。すると とその逆数がともに整数になるので、値は に限られる。
解答
(1)
整数点 を代入すると である。仮定より、整数 に対して も整数になるので、 は整数である。
また を代入すると である。したがって も整数である。
よって である。
(2)
(1)より の成分はすべて整数である。さらに、逆変換についても「整数点を整数点へ移す」という同じ性質が仮定されているので、(1) と同じ議論により の成分もすべて整数である。
ここで とおく。 は逆行列をもつので である。またである。 の成分が整数であるから は整数である。一方、 の成分も整数なので、2次正方行列の行列式を考えると も整数である。したがって、整数 とその逆数 がともに整数である。
このような整数は に限られる。よって である。
基本ベクトルの像と逆像が整数ベクトルなら、面積倍率は
別解
解法2
方針
(1) は標準基底の像を見る。(2) は逆行列の成分が整数であることから、
逆行列公式に現れる各整数の割り算を利用する。最後に
と の行列式の積が1であることから符号まで決める。
解答
(1)
の像は 、 の像は である。
仮定により両方とも整数点だから、 は全て整数である。
(2)
逆変換にも同じ性質があるため、 の4成分も整数である。
とおけば の成分が整数なので は整数であり、
の成分が整数なのでも整数である。整数とその逆数がともに整数になるのはだけである。よって である。
総評
整数格子を保つ2次行列の基本性質を示す問題である。目安時間は14分。(1) は を代入するだけでよく、(2) は逆変換にも同じ議論を使って と の整数性へつなぐ。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。