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九州大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

次の問いに答えよ。

(1) 原点 O の座標平面上で、次の3変換を(イ)、(ロ)、(ハ)の順に合成した一次変換を表す行列 T を求めよ。

(イ)点 POP=tOP となる点 P へ移す。ただし t は実数である。

(ロ)x 軸に関する対称移動。

(ハ)直線 y=x に関する対称移動。

(2) E を2次の単位行列として、(ET)(E+T)1を計算せよ。

(3) (2)の行列で表される一次変換による点 P の像を Q とするとき、OP=OQを証明せよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安30

行列ベクトル 回転・拡大、計算整理、内積の利用

方針

三つの変換を行列で表して作用順に合成する。(2)は逆行列を直接計算し、(3)は像の座標を展開して距離の2乗が変わらないことを示す。

解答

(1) 三つの変換の行列は順にtE,(1001),(0110)である。作用する順に右から掛けるのでT=(0110)(1001)tE=(0tt0).(2)E+T=(1tt1),(E+T)1=11+t2(1tt1).したがって(ET)(E+T)1=11+t2(1t22t2t1t2).(3) (2)の行列を B とし、P=(x,y)Q=(u,v) とする。このときu=(1t2)x2ty1+t2,v=2tx+(1t2)y1+t2.展開すると交差項が消えてu2+v2={(1t2)2+4t2}(x2+y2)(1+t2)2=x2+y2.よって OQ=OP である。

別解

解法2(座標変換と回転の形を使う)

方針

(1) は点の座標を変換ごとに直接追う。(2)の行列の成分を c,s と置き、c2+s2=1 から回転行列であることを見抜いて距離保存を示す。

解答

(1)(x,y) は三つの変換によって(x,y)(tx,ty)(tx,ty)(ty,tx)と移る。したがってT=(0tt0).(2) E+T の逆行列を求めて掛ければ(ET)(E+T)1=11+t2(1t22t2t1t2).(3) ここでc=1t21+t2,s=2t1+t2とおく。直接計算するとc2+s2=1.したがって、ある角 θ によって c=cosθs=sinθ と表せる。(2)の行列は(cssc)となり、原点を中心とする回転を表す。回転は原点からの距離を変えないからOP=OQ.

総評

難度6、計算量6、目安30分。原問題が行列を明示するため、この1問だけ行列を用いた。合成順序を行列積で追う標準答案と、座標を逐次移して回転の形を読む別解を示した。(3)は転置行列などへ進まず、座標の2乗和または回転行列の高校範囲の性質で証明した。

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出典: 九州大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。