Evolton

九州大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

関数f(x)=ax2+(1a)xの実数係数 a は、定積分01{(f(x))22f(x)}dxの値を最小にするという。このとき、次の問いに答えよ。

(1) a の値を求めよ。

(2) x が区間 [0,1] を動くとき、f(x)(x+k) の最大値を g(k) とする。g(k) を最小にする実数 k の値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安28

微分積分関数 式変形、微分による最大最小、範囲評価

方針

与えられた積分を a の2次式に整理して平方完成する。(2)では f(x)x の値域を求め、区間の全点からの最大距離が最小になる中心を選ぶ。

解答

(1) f(x)=2ax+1aだから01(f(x))2dx=1+a23.一方、012f(x)dx=2(a3+1a2)=1a3.よって、与えられた積分を I(a) とするとI(a)=a2+a3=13(a+12)2112.したがってa=12.(2)
(1)の値を代入するとf(x)x=12x(1x).ϕ(x)=12x(1x)と置けば、0x1 において0ϕ(x)18.しかも連続性により、この区間の値をすべて取る。したがってg(k)=max{k,18k}.これは2端点 0,1/8 から k までの距離の大きい方である。両距離が等しい中央を選べばよいからk=116.

別解

解法2(積分の微分と下からの評価)

方針

積分値をすべて展開せず、a で微分して最小点を決める。(2)では特定の2点だけから最大誤差の下限を作り、その下限を実現する k を示す。

解答

(1)
I(a) を与えられた積分とする。被積分関数は a の多項式なので、直接 a で微分できる。ここでfa=x2x,fa=2x1だからI(a)=01{2f(x)(2x1)2(x2x)}dx.f(x)=1+a(2x1) を代入するとI(a)=2a+13,I(a)=23>0.よって唯一の最小点はa=12.(2)f(x)(x+k)=12x(1x)k.x=0x=1/2 の2点だけを調べてもg(k)max{k,18k}.任意の実数 k についてmax{k,18k}116である。実際、両方が 1/16 未満なら、三角不等式から2端点間の距離 1/81/8 未満となり矛盾する。

一方、k=1/16 とすれば11612x(1x)116116だから、最大値は実際に 1/16 となる。したがってk=116.

総評

変分的な見かけをもつが、実体はパラメータの2次式の最小化と一様近似の初歩である。目安時間は28分。積分を表示して段階ごとに整理し、(2)では放物線の値域 [0,1/8] の中央を選ぶと見通しがよい。別解の下限評価は、答えが本当に全ての k の中で最良であることを明確にしている。

冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。