方針
与えられた積分を a の2次式に整理して平方完成する。(2)では f(x)−x の値域を求め、区間の全点からの最大距離が最小になる中心を選ぶ。
解答
(1) f′(x)=2ax+1−aだから∫01(f′(x))2dx=1+3a2.一方、∫012f(x)dx=2(3a+21−a)=1−3a.よって、与えられた積分を I(a) とするとI(a)=3a2+a=31(a+21)2−121.したがってa=−21.(2)
(1)の値を代入するとf(x)−x=21x(1−x).ϕ(x)=21x(1−x)と置けば、0≦x≦1 において0≦ϕ(x)≦81.しかも連続性により、この区間の値をすべて取る。したがってg(k)=max{∣k∣,81−k}.これは2端点 0,1/8 から k までの距離の大きい方である。両距離が等しい中央を選べばよいからk=161.
別解
解法2(積分の微分と下からの評価)
方針
積分値をすべて展開せず、a で微分して最小点を決める。(2)では特定の2点だけから最大誤差の下限を作り、その下限を実現する k を示す。
解答
(1)
I(a) を与えられた積分とする。被積分関数は a の多項式なので、直接 a で微分できる。ここで∂a∂f=x2−x,∂a∂f′=2x−1だからI′(a)=∫01{2f′(x)(2x−1)−2(x2−x)}dx.f′(x)=1+a(2x−1) を代入するとI′(a)=32a+1,I′′(a)=32>0.よって唯一の最小点はa=−21.(2)f(x)−(x+k)=21x(1−x)−k.x=0 と x=1/2 の2点だけを調べてもg(k)≧max{∣k∣,81−k}.任意の実数 k についてmax{∣k∣,81−k}≧161である。実際、両方が 1/16 未満なら、三角不等式から2端点間の距離 1/8 も 1/8 未満となり矛盾する。
一方、k=1/16 とすれば−161≦21x(1−x)−161≦161だから、最大値は実際に 1/16 となる。したがってk=161.
総評
変分的な見かけをもつが、実体はパラメータの2次式の最小化と一様近似の初歩である。目安時間は28分。積分を表示して段階ごとに整理し、(2)では放物線の値域 [0,1/8] の中央を選ぶと見通しがよい。別解の下限評価は、答えが本当に全ての k の中で最良であることを明確にしている。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。