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九州大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

x0 で定義された微分可能な関数 y=f(x) のグラフ C は上に凸であり、f(0)0 とする。C 上に定点 A(α,f(α)) と点 P(x,f(x))x>α をとる。線分 OA,OP とグラフ C とで囲まれる部分の面積を S(x) とする。次の問いに答えよ。

(1) S(x)αxf(t)dtx,f(x),α,f(α) で表せ。

(2)f(x)=baa2x2(a,b>0)の場合、x=asinθ0θπ/2 とおいて、面積 Sθ に関する変化率を求めよ。

(3) α=0 のとき、S(x)=x3log(x+1) となる f(x) を、f(x)=xg(x) とおいて求めよ。

難易度8/ 10計算量8/ 10目安42

微分積分関数 面積計算置換、式変形

方針

曲線下の面積と2つの三角形から S(x) を表す。(2)はその式を微分して合成関数の微分を行い、(3)は f=xg と置いて g を求める。

解答

(1) 区間 [α,x] の曲線下の面積に、線分 OA の下の三角形を加え、線分 OP の下の三角形を引く。したがってS(x)=αxf(t)dt12{xf(x)αf(α)}.(2) (1)を x で微分するとdSdx=12{f(x)xf(x)}.与えられた関数ではf(x)=bxaa2x2だからf(x)xf(x)=aba2x2.x=asinθ とおけばdxdθ=acosθ,a2x2=acosθ.よってdSdθ=dSdxdxdθ=ab2.\newpage
(3) α=0f(x)=xg(x) とおく。(1)の面積公式を微分するとS(x)=12x2g(x).一方S(x)=3x2log(x+1)+x3x+1.したがってg(x)=6log(x+1)2xx+1.積分するとg(x)=C+4x(6x+4)log(x+1),ただし C は任意の実数である。よってf(x)=x{C+4x(6x+4)log(x+1)}.この関数は f(0)=0 である。またf(x)=1012log(x+1)+8x+1+2(x+1)2.右辺は x=0 で0、その導関数は x0 で負だから、x>0f(x)<0 となる。したがって元の「上に凸」の条件も満たす。

別解

解法2(楕円の面積式と一次微分方程式を使う)

方針

(1) は境界の向きから面積を直接組み立てる。(2)は楕円弧の積分を実行すると、θ に依存する部分が一次式になる。(3)は (f/x) を使って直接積分する。

解答

(1) 原点から A までの三角形、A から P までの曲線下、原点から P までの三角形を符号付きで加えるとS(x)=12αf(α)+αxf(t)dt12xf(x).これは解法1と同じ式である。

(2) x=asinθ とおくとf(x)dx=ba(acosθ)acosθdθ=abcos2θdθ.したがって曲線下の面積のうち x に依存する部分はab2(θ+sinθcosθ)である。一方12xf(x)=ab2sinθcosθ.ゆえに S(x) のうち θ に依存する部分はab2θだけである。
残りは α だけで決まる定数だからdSdθ=ab2.\newpage
(3) α=0 のとき、(1)を微分して2S(x)=f(x)xf(x).したがって(f(x)x)=xf(x)f(x)x2=2S(x)x2.S(x)=x3log(x+1) を代入すると(f(x)x)=6log(x+1)2xx+1.よってf(x)x=C+4x(6x+4)log(x+1),すなわちf(x)=x{C+4x(6x+4)log(x+1)}.任意定数 C による項 Cx は直線 OP と曲線の面積差へ寄与しない。また C は2階微分にも影響せず、解法1で確認した上に凸の条件を保つ。

総評

難度8、計算量8、目安42分。面積を曲線下の積分と2つの三角形に分けることが出発点である。(2)は微分による短い解法と、楕円弧の積分で変数部分を直接消去する解法を示した。(3)では f=xg と置く方法と (f/x) を使う方法を用意し、任意定数の意味と上に凸・f(0)0 の条件まで検算した。

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出典: 九州大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。