方針
2つの微分方程式を別々に解き、極値の値と微分係数0の二条件で定数を決める。不等式は z′′>0 による z′ の単調性から、接線との差の最小値を調べる。
解答
(1)
与えられた微分方程式からx(t)=Aet,y(t)=Be−2tと書ける。したがってz(t)=Aet+Be−2t.t=log2 において値が3、微分係数が0だから2A+4B=3,2A−2B=0.これを解いて A=1,B=4 である。よってz(t)=et+4e−2t.(2)z′′(t)=et+16e−2t>0だから、z′(t) は単調に増加する。t を固定してH(s)=z(s)−z(t)−(s−t)z′(t)と置くとH′(s)=z′(s)−z′(t).したがって s<t では H′(s)<0、s>t では H′(s)>0 である。よって H は s=t で最小となり、H(s)≧H(t)=0.すなわちz(s)≧z(t)+(s−t)z′(t)がすべての実数 s,t で成り立つ。
別解
解法2(zの方程式と指数不等式)
方針
x,y を z,z′ で表して z だけの2階方程式を作る。不等式は eu≧1+u を2回適用して、差を非負項の和にする。
解答
(1) z=x+y,z′=x−2yからx=32z+z′,y=3z−z′.またz′′=x+4y=2z−z′,したがってz′′+z′−2z=0.この方程式の解はz(t)=Aet+Be−2tであり、t=log2 で z=3,z′=0 を代入すると A=1,B=4 となる。よってz(t)=et+4e−2t.(2)
次に h=s−t と置く。示すべき差はz(s)−z(t)−(s−t)z′(t)=et(eh−1−h)+4e−2t(e−2h−1+2h).任意の実数 u についてeu≧1+uである。この不等式を u=h と u=−2h に適用すれば、上式の2つの括弧はともに0以上である。係数も正だから差全体が0以上となり、z(s)≧z(t)+(s−t)z′(t)が従う。
総評
指数関数型の微分方程式と、凸関数の接線不等式を結ぶ問題。目安時間は27分。通常解法は z′′>0 から接線との差を調べ、別解は差を eu−1−u の和として直接評価する。いずれも高校範囲の微分と指数関数の性質だけで完結している。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。