方針
面積条件を数式に直すと,∫0xf(t)dt=(1/n)xf(x)となる。両辺を x で微分すれば,左辺は f(x),右辺は積の微分になるので,指定された微分方程式が出る。(2) は f(x)>0 を使って f′(x)/f(x)=(n−1)/x とし,両辺を積分して f(x)=Cxn−1 を得る。最後に f(1)=2 で定数を決める。
解答
(1) 区間 [0,x] 上で曲線 y=f(x) と x 軸とに挟まれた部分の面積は∫0xf(t)dtである。一方,長方形 OQPR の横の長さは x,縦の長さは f(x) なので,その面積は xf(x) である。条件より∫0xf(t)dt=n1xf(x)が成り立つ。
両辺を x で微分する。左辺は f(x) であり,右辺は積の微分により n1{f(x)+xf′(x)} である。したがって f(x)=n1{f(x)+xf′(x)} である。両辺に n を掛けて整理すると (n−1)f(x)=xf′(x) となる。これで (1) が示された。
(2) x>0 で f(x)>0 であるから,(1) の式を xf(x) で割ることができる。すると f(x)f′(x)=xn−1 である。両辺を x について積分すると logf(x)=(n−1)logx+C1 となる。ここで x>0,f(x)>0 なので対数をそのまま扱える。
したがって,正の定数 C を用いて f(x)=Cxn−1 と書ける。曲線が点 (1,2) を通るので 2=f(1)=C⋅1n−1=C である。よって f(x)=2xn−1(x>0) である。
別解
解法2(面積関数を先に解く)
方針
面積を F(x) と置き、F′=f と面積条件を連立する。F を先に求め、最後に微分して f を得る。
解答
(1) F(x)=∫0xf(t)dtと置くと F′=f である。面積条件と合わせてF=nxF′,xF′=nF.また F=xf/n を微分するとf=n1(f+xf′),(n−1)f=xf′,となり、(1) を得る。
(2)
x>0 で F(x)>0 だからFF′=xn,F=Cxn,f=F′=nCxn−1.f(1)=2 より nC=2 なのでf(x)=2xn−1(x>0).
総評
難易度は5,計算量は4程度である。想定時間は12分から18分程度。図形条件を∫0xf(t)dt=(1/n)xf(x)と書けるかがほぼ全てである。微分では右辺が x と f(x) の積なので,f(x)+xf′(x) になることを明示する。後半は f(x)>0,x>0 により割り算と対数が正当化される。最後に得た 2xn−1 が元の面積条件も満たすことを頭の中で確認しておくと,定数や指数のずれに気づきやすい。 解法2では面積関数そのものを未知関数として解き、最後に微分して f を得る。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1986年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。