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九州大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

関数f(x)は微分可能で,x>0のときf(x)>0である.
曲線y=f(x)上の任意の点P(x,f(x)) (x>0)からx軸,y軸へ下ろした垂線の足を
それぞれQRとし,原点をOとする.
区間[0,x]上でこの曲線とx軸とではさまれた部分の面積は,
長方形OQPRの面積の1nとする.
ただし,nは自然数である.
このとき,次の(1),(2)に答えよ.

(1) f(x)x>0で微分方程式(n1)f(x)=xf(x)を満たすことを示せ.

(2) 曲線y=f(x)が点(1,2)を通るとき,x>0の範囲でf(x)を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

微分積分関数 式変形、誘導利用、計算整理

方針

面積条件を数式に直すと,0xf(t)dt=(1/n)xf(x)となる。両辺を x で微分すれば,左辺は f(x),右辺は積の微分になるので,指定された微分方程式が出る。(2) は f(x)>0 を使って f(x)/f(x)=(n1)/x とし,両辺を積分して f(x)=Cxn1 を得る。最後に f(1)=2 で定数を決める。

解答

(1) 区間 [0,x] 上で曲線 y=f(x)x 軸とに挟まれた部分の面積は0xf(t)dtである。一方,長方形 OQPR の横の長さは x,縦の長さは f(x) なので,その面積は xf(x) である。条件より0xf(t)dt=1nxf(x)が成り立つ。

両辺を x で微分する。左辺は f(x) であり,右辺は積の微分により 1n{f(x)+xf(x)} である。したがって f(x)=1n{f(x)+xf(x)} である。両辺に n を掛けて整理すると (n1)f(x)=xf(x) となる。これで (1) が示された。

(2) x>0f(x)>0 であるから,(1) の式を xf(x) で割ることができる。すると f(x)f(x)=n1x である。両辺を x について積分すると logf(x)=(n1)logx+C1 となる。ここで x>0f(x)>0 なので対数をそのまま扱える。

したがって,正の定数 C を用いて f(x)=Cxn1 と書ける。曲線が点 (1,2) を通るので 2=f(1)=C1n1=C である。よって f(x)=2xn1(x>0) である。

別解

解法2(面積関数を先に解く)

方針

面積を F(x) と置き、F=f と面積条件を連立する。F を先に求め、最後に微分して f を得る。

解答

(1) F(x)=0xf(t)dtと置くと F=f である。面積条件と合わせてF=xFn,xF=nF.また F=xf/n を微分するとf=1n(f+xf),(n1)f=xf,となり、(1) を得る。

(2)
x>0F(x)>0 だからFF=nx,F=Cxn,f=F=nCxn1.f(1)=2 より nC=2 なのでf(x)=2xn1(x>0).

総評

難易度は5,計算量は4程度である。想定時間は12分から18分程度。図形条件を0xf(t)dt=(1/n)xf(x)と書けるかがほぼ全てである。微分では右辺が xf(x) の積なので,f(x)+xf(x) になることを明示する。後半は f(x)>0x>0 により割り算と対数が正当化される。最後に得た 2xn1 が元の面積条件も満たすことを頭の中で確認しておくと,定数や指数のずれに気づきやすい。 解法2では面積関数そのものを未知関数として解き、最後に微分して f を得る。

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出典: 九州大学 1986年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。