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九州大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

aを正の実数とする.x0で定義された連続関数y=f(x)f(0)=1を満たし,
かつ次の微分方程式を満たすとする.0<x<aのとき,y=ya<x<a+1のとき,y=0a+1<xのとき,y=a2y(1) f(a)を求めよ.

(2) a+1<xにおいて,関数f(x)を求めよ.

(3) f(x)={f(a)}2を満たすxの値をbとする.
bを最小にするaの値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

微分指数・対数 式変形、微分による最大最小、場合分け

方針

3区間で微分方程式を順に解き、連続性で境界値を次の区間へ渡す。(3)では目標値が第1・第2区間の値を超えることを確認してから、第3区間で b を求め、相加相乗平均で最小化する。

解答

(1) 0<x<a では y=y であり、f(0)=1 である。したがって f(x)=ex(0xa) である。よって f(a)=ea である。

(2) a<x<a+1 では y=0 なので、f(x) は定数である。連続性と(1)より f(x)=ea(axa+1) であり、特に f(a+1)=ea である。 a+1<x では y=a2y である。x=a+1 での値 ea を初期値として解くと f(x)=eaea2(xa1)(a+1<x) である。したがって f(x)=ea+a2(xa1)(a+1<x) である。

(3)
(1)より {f(a)}2=e2a である。a>0 だから e2a>ea である。第1区間と第2区間では f(x)ea なので、f(x)=e2a を満たす点は第3区間にある。

そこで(2)の式を用いると eaea2(xa1)=e2a である。両辺は正なので指数を比較して a+a2(xa1)=2a すなわち a2(xa1)=a である。a>0 より x=a+1+1a である。したがって b=a+1+1a となる。 a>0 に対し、相加相乗平均より a+1a2 であり、等号は a=1 のときに限る。よって b=a+1+1a3 であり、b を最小にする aa=1 である。

別解

解法2

方針

f(x)>0 を保つことを利用し g(x)=logf(x) と置く。g は区分的な定数なので、その累積から f を一括して復元する。最後は b=a+1+1/a を平方で評価する。

解答

(1)
各区間で f(x)>0 が保たれるので g(x)=logf(x) と置く。
0<x<a ではg(x)=f(x)f(x)=1.g(0)=0 だから g(x)=x でありf(a)=ea.(2)
a<x<a+1 では g=0 なので g(x)=a である。
x>a+1 では g=a2 だから、連続性と g(a+1)=a よりg(x)=a+a2(xa1).したがってf(x)=ea+a2(xa1)(x>a+1).(3)
{f(a)}2=e2a>ea なので、これをとる点は第3区間にある。a+a2(ba1)=2aよりb=a+1+1a.さらにa+1a2=(a1)2a0で、等号は a=1 のときだけである。よって b を最小にする値はa=1.

総評

区分的に与えられた微分方程式を、連続性でつないでいく問題である。各区間の式そのものは標準的だが、(3)では方程式の解がどの区間にあるかを確認してから第3区間の式を使う必要がある。e2a>ea なので第1・第2区間には解がない、という一言があると答案が安定する。最後の最小化は a+1a2 で終わる。目安時間は14分。 採点上は、方針の根拠、条件から決まる範囲、境界・等号条件、最終結論を別々に明記したい。 2解法を照合すると、符号や領域の向き、候補の除外を自己検算できる。

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出典: 九州大学 1988年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。