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九州大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

曲線C:x2+xy+y2=k2 (k>0)と,
行列A=(0111)によって定義される1次変換fについて,
次の問に答えよ.

(1) C上の任意の点P(x,y)に対して,Q=f(P)C上の点であることを示せ.

(2) Cを適当な角θだけ回転することにより,だ円であることを示せ.

(3) Cの内部のうち,第1象限の部分の面積を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

行列図形と方程式積分 文字消去座標設定面積計算

方針

(1) は変換後の座標を直接代入し、式 x2+xy+y2 が変わらないことを示す。(2)u=(x+y)/2v=(xy)/2 という45度回転で平方項を整理し、標準形のだ円に直す。(3) は第1象限内で x=rcosθy=rsinθ とおいて半径の上限を求め、面積を12r2dθで計算する。別解として、全体のだ円の面積と (1) の面積保存を使う見方も確認できる。

解答

(1)
P(x,y) が変換 f によって点 Q(X,Y) に移るとする。行列から X=y,Y=x+y である。したがって X2+XY+Y2=(y)2+(y)(x+y)+(x+y)2 である。右辺を展開すると y2xyy2+x2+2xy+y2=x2+xy+y2 となる。よって P が曲線 C 上にあるなら x2+xy+y2=k2 であり、同時に X2+XY+Y2=k2 も成り立つ。したがって QC 上の点である。

(2) u=x+y2,v=xy2 とおく。これは座標軸を45度回転する変換である。このとき x2+y2=u2+v2,xy=u2v22 であるから x2+xy+y2=u2+v2+u2v22=32u2+12v2 となる。したがって曲線 C32u2+12v2=k2 すなわち u22k23+v22k2=1 と書ける。これはだ円の標準形である。よって C はだ円である。

(3)
第1象限ではx=rcosθ,y=rsinθ,0θπ2とおける。するとx2+xy+y2=r2(cos2θ+sinθcosθ+sin2θ)=r2(1+12sin2θ)である。したがって境界上では r2=k21+12sin2θ である。

よって第1象限内の面積 SS=120π/2k21+12sin2θdθである。ここで t=tanθ とおくと sin2θ=2t1+t2,dθ=dt1+t2 であり、θ0 から π/2 まで動くとき、t0 から まで動く。したがって0π/2dθ1+12sin2θ=0dtt2+t+1である。分母を平方完成すると t2+t+1=(t+12)2+34 である。ここで2t+1=3tanuとおく。t=0u=π/6 に対応し、t のとき uπ/2 である。またdt=32ducos2u,t2+t+1=34cos2uだから0dtt2+t+1=23π/6π/2du=2π33である。よってS=k222π33=πk233である。

別解

解法2(面積を保つ6分割)

方針

45度回転でだ円の全体面積を求める。与えられた一次変換は曲線と面積を保ち、平面を6つの部分へ巡回させるので、第1象限部分は全体の 1/6 と分かる。

解答

(1)
P(x,y) の像を Q(X,Y) とするとX=y,Y=x+y.よってX2+XY+Y2=x2+xy+y2であり、PC なら QC である。

(2) u=x+y2,v=xy2という45度回転を行うとx2+xy+y2=32u2+12v2.したがってu22k2/3+v22k2=1となり、C はだ円である。その全体の面積はπ2k232k2=2πk23.(3)
与えられた一次変換の面積倍率は01(1)1=1なので面積を保つ。また正の x 軸、正の y 軸、直線 y=x の各半直線を順に移し、3回で各点を原点について反対側へ移す。したがって、これら6本の半直線でだ円内部は、変換で順に移り合う同面積の6部分に分かれる。第1象限部分はその一つであるからS=162πk23=πk233.

総評

行列変換、だ円、面積を結ぶ問題で、目安は22分。45度回転で標準形へ直し、積分解法と面積保存による6分割を相互に検算する。行列は問題文が明示している本問だけで使用する。

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出典: 九州大学 1987年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。