方針
In は sinn−1θsinθ と見て部分積分し、cos2θ=1−sin2θ で In と In−2 の関係に戻す。Jn は x=cosθ と置くと cosnθsinnθ になり、sin2θ にまとめて In に変換できる。最後は漸化式で I6 を I0=π まで下げる。
解答
(1) In=∫0πsinnθdθ=∫0πsinn−1θsinθdθと見る。ここで部分積分を用い、sinθdθ=−d(cosθ) と考えるとIn=[−sinn−1θcosθ]0π+(n−1)∫0πsinn−2θcos2θdθである。端では sinθ=0 なので境界項は0である。したがってIn=(n−1)∫0πsinn−2θ(1−sin2θ)dθとなる。つまり In=(n−1)(In−2−In) である。よって nIn=(n−1)In−2 となり、In=nn−1In−2(n≧3) である。
(2) x=cosθ とおく。x が0から1まで動くとき、θ は π/2 から0まで動く。また dx=−sinθdθ,1−x2=sin2θ である。したがってJn=∫0π/2cosnθsinnθdθとなる。ここで sin2θ=2sinθcosθ だからJn=2n1∫0π/2sinn2θdθである。さらに u=2θ とおくと du=2dθ であり、u は0から π まで動く。よってJn=2n+11∫0πsinnudu=2n+1Inである。
(3) (1) を用いてI6=65I4=65⋅43I2=65⋅43⋅21I0である。ここでI0=∫0π1dθ=πだから I6=165π である。(2) よりJ6=27I6=1281⋅165π=20485πである。
別解
解法2(微分恒等式と倍角公式)
方針
sinn−1θcosθ の導関数を積分して漸化式を得る。Jn は倍角公式で In に直し、I6 は sin6θ の倍角展開でも直接確認する。
解答
(1) dθd{sinn−1θcosθ}=(n−1)sinn−2θcos2θ−sinnθ.これを 0 から π まで積分すると左辺の積分は0である。よって0=(n−1)(In−2−In)−Inとなり、In=nn−1In−2.(2)
x=cosθ と置けばJn=∫0π/2(sinθcosθ)ndθ=2n1∫0π/2sinn2θdθ.さらに u=2θ としてJn=2n+1In.(3)
倍角公式を繰り返すとsin6θ=3210−15cos2θ+6cos4θ−cos6θ.0 から π まで積分すると余弦の各項は0になるからI6=3210π=165π.したがってJ6=27I6=20485π.
総評
三角関数の積分漸化式と置換積分を扱う問題で、目安は18分。部分積分の境界項、x=cosθの積分区間、u=2θで生じる1/2を落とさない。J6は漸化式と倍角公式で検算できる。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1987年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。