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九州大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

関数 f(x)f(x)=0xf(t){f(t)1}dt+13を満たすものとする。

(1) f(x) を求めよ。

(2) 曲線 y=f(x) の凹凸および変曲点を調べ、概形を描け。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

微分積分関数 置換グラフの概形増減表

方針

x=0 から初期値を得て、積分方程式を微分する。得られた微分方程式を変数分離で解き、最後に元の式へ戻して確認する。凹凸は f=f(2f1) の符号で判定する。

解答

(1)
x=0 を代入するとf(0)=13.両辺を x で微分してf(x)=f(x){f(x)1}を得る。初期値の近くでは 0<f<1 なので変数を分離でき、ff(f1)=1.1f(f1)=1f+1f1を用いて積分するとlogf1f=x+C.f(0)=1/3 よりf1f=2exとなるからf(x)=11+2ex.この関数についてf(x)=2ex(1+2ex)2=f(x){f(x)1}かつ f(0)=1/3 である。したがって両辺を 0 から x まで積分すれば、元の積分方程式も満たすことが確認できる。

(2) 0<f(x)<1なのでf(x)=f(x){f(x)1}<0.よって f は実数全体で単調に減少する。またf(x)=f(x){2f(x)1}.f(x)=1/2 となるのはx=log2のときである。したがってxx<log2x=log2x>log2f(x)0+となり、変曲点は(log2,12).さらにlimxf(x)=1,limxf(x)=0.したがって y=1y=0 を水平漸近線にもつ減少曲線となる。

別解

解法2:逆数を置いて一次式にする

方針

微分方程式を得た後、h=1/f と置くと hh=1 という簡単な関係になる。解を求めた後は、ex を直接微分して1階・2階導関数の符号を調べる。

解答

(1)
積分方程式からf(0)=13,f=f(f1)を得る。初期値を満たす解では f0 なのでh(x)=1f(x)とおく。このときh=ff2=f(f1)f2=h1.したがって(h1)=h1.h(0)=3 だからh(x)1=2ex.ゆえにf(x)=11+2ex.初期値と f=f(f1) が成り立つため、積分によって元の式へ戻せる。

(2)
直接微分するとf(x)=2ex(1+2ex)2<0であり、f(x)=2ex(2ex1)(1+2ex)3.分母と 2ex は正なので、符号は 2ex1 で決まる。よって{f(x)<0(x<log2),f(x)=0(x=log2),f(x)>0(x>log2).変曲点は (log2,1/2) であり、左右の水平漸近線はそれぞれ y=1,y=0 である。

総評

難度6、計算量5。積分方程式を初期値付き微分方程式へ直す典型問題で、想定時間は24分程度。微分しただけで終わらず、得た関数が元の積分方程式を満たすことを確認する必要がある。凹凸は f の符号で判定し、日本語の「上に凸・下に凸」だけに頼らず符号表を併記した。変数分離法と逆数置換を相互照合した。

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出典: 九州大学 1989年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。