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九州大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

空間内の点Oを中心とした半径a (a>0)の球面上に点ABをとり,
ベクトルOAOBのなす角を
θ (0θ180)とする.

(1) ベクトルOBtOAの大きさが
最小となるようなtθで表し,このベクトルの大きさを求めよ.

(2) (1)で求めたtに対して,
OB=OBtOAとおく.
球面上の点BABの大きさがa以下となるように動くとき,
Bは空間内のどんな図形を描くか.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安22

ベクトル図形と方程式 内積の利用図形的解釈、範囲評価

方針

二乗した長さを t の完全平方にして最小値を求める。そこで得たベクトルが OA に垂直であることから正射影と読み、条件 ABa を角度の範囲へ直す。最後に、円板内の全ての点が実際に得られることまで示して軌跡を確定する。

解答

(1) u=OAv=OB とおく。このときu=v=a,uv=a2cosθである。したがってvtu2=v22tuv+t2u2=a2{(tcosθ)2+sin2θ}.よって、最小にする実数はt=cosθであり、そのときの大きさは asinθ である。

(2)
(1) の t に対してOB=vcosθuである。このベクトルはOBu=a2cosθa2cosθ=0を満たす。したがって B は、O を通り OA に垂直な平面上にある。

一方、AB2=vu2=2a2(1cosθ)だから、ABacosθ12と同値である。ゆえに0θ60であり、0OB=asinθ32a.逆に、上の平面内で O からの距離が0ρ32aである任意の点をとる。ρ=asinθ となる0θ60 が存在し、OA のまわりの向きも自由に選べるので、その点を B とする球面上の B が得られる。

したがって軌跡はO を中心、半径 32a とする、 OA に垂直な平面上の閉円板である。

別解

解法2:座標で軌跡を直接表す

方針

O を原点、Ax 軸上に置き、球面上の B を極角と方位角で表す。最小化は座標ごとの二乗和から行い、得られる B の座標を見て平面と半径を同時に確定する。

解答

(1) O=(0,0,0),A=(a,0,0)とし、球面上の点 BB=(acosθ,asinθcosφ,asinθsinφ)と表す。このときOBtOA=(a(cosθt),asinθcosφ,asinθsinφ)だから、その長さの二乗はa2(cosθt)2+a2sin2θ.よって最小にする値はt=cosθで、最小の長さは asinθ である。

(2)
このときB=(0,asinθcosφ,asinθsinφ).したがって Bx=0 平面上にあり、原点からの距離はOB=asinθである。

またAB=2asinθ2なので、ABa からsinθ212,0θ60を得る。よって0OB32a.φ0 から 360 まで自由に動き、各半径も θ により連続的に全て得られる。したがって、軌跡は x=0 平面上の中心 O、半径 3a/2 の閉円板である。

総評

難度5、計算量4。前半の最小化を後半の正射影へつなげる空間ベクトルの問題で、想定時間は22分程度。軌跡は円周ではなく内部を含む閉円板であること、境界は AB=a のときに含まれること、任意の方位が実現することが採点上の要点である。内積解法と座標解法を相互照合し、端点 θ=0,60 まで確認した。

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出典: 九州大学 1989年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。