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九州大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験 理系理系数学 第1問

平面上の2点P(a,c)Q(b,d)に対して,1次変換
(xy)=(abcd)(xy)
を考える.原点Oを中心とする単位円x2+y2=1Cとする.

(1) PQがともにC上にあり,ベクトルOPOQが直交するとき,
この1次変換はC上の任意の点をC上に移すことを示せ.

(2) 逆に,この1次変換がC上の任意の点をC上に移すならば,
PQはともにC上の点であり,
かつベクトルOPOQは直交していることを示せ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安22

行列ベクトル図形と方程式 内積の利用必要十分条件恒等式比較

方針

行列の第1列、第2列をそれぞれ OPOQ と見て、単位円上の点 (x,y) の移り先を xOP+yOQ と表す。(1) は2つの列ベクトルが長さ1で直交することから、移り先の長さが x2+y2 に等しいことを示す。(2) は単位円上の特別な点 (1,0)(0,1)(1/2,1/2) を代入し、列ベクトルの長さと内積を取り出す。

解答

(1) OP=(a,c),OQ=(b,d) とおく。単位円上の点 (x,y)x2+y2=1 を満たす。この点の移り先は xOP+yOQ である。

仮定よりOP=1,OQ=1,OPOQ=0である。したがって移り先の長さの2乗はxOP+yOQ2=x2OP2+y2OQ2+2xyOPOQ=x2+y2=1である。よって単位円 C 上の任意の点は、再び C 上の点へ移る。

(2)
逆に、単位円 C 上の任意の点が C 上の点へ移るとする。

まず (1,0)(a,c) に移るので a2+c2=1 である。したがって PC 上にある。同様に (0,1)(b,d) に移るので b2+d2=1 であり、QC 上にある。

さらに、単位円上の点 (12,12) を考える。この点の移り先は (a+b2,c+d2) であり、これも単位円上にあるので (a+b)2+(c+d)22=1 である。すでに得た a2+c2=1b2+d2=1 を代入すると 2+2(ab+cd)2=1 だから ab+cd=0 である。これは OPOQ=0 を意味する。よって OPOQ は直交している。

別解

解法2:円周を三角関数で表す

方針

円周上の点を (cosθ,sinθ) と表し、像の長さの2乗を展開する。
順方向は恒等的に1になることを示し、逆方向は3つの角を代入して条件を取り出す。

解答

円周上の点を (cosθ,sinθ) とする。像の長さの2乗はH(θ)=(acosθ+bsinθ)2+(ccosθ+dsinθ)2.(1)
a2+c2=b2+d2=1ab+cd=0 ならH(θ)=cos2θ+sin2θ=1.(2)
逆に常に H(θ)=1 とする。
θ=0,π/2 を代入してa2+c2=1,b2+d2=1.θ=π/4 を代入すると(a+b)2+(c+d)22=1なので、上の2式から ab+cd=0 を得る。よって P,Q は単位円上に
あり、OPOQ である。

総評

難度5、計算量5。行列の列ベクトルを図形的に読み、単位円上の点の長さが保たれる条件を調べる問題である。想定時間は22分程度。(1) は内積展開で交差項が消えること、(2) は3つの代表点を代入して長さ1と直交条件を取り出すことが中心である。全ての点を調べる必要はなく、条件を決めるのに十分な点を選ぶのが効率的である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。

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出典: 九州大学 1990年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。