方針
, と座標を取り替えると,この行列は 方向を 倍, 方向を 倍にするだけになる。したがって単位円の移った曲線は, 座標で楕円としてすぐに書ける。(2)は回転の向きに注意して, 方向と 方向が新しい座標軸のどちらに重なるかを明示する。(3)では定点 の 成分を とし,移った点の成分 が , を満たすことから と符号条件を読む。
解答
(1)
新しい座標として を用いる。逆に である。
点 が行列 により に移るとする。すると である。つまり 座標で見れば という変換である。
単位円は である。移った後の点の 座標を改めて と書くと,もとの点の座標は であるから となる。したがって である。もとの で書けば である。
(2)
曲線を時計回りに 回転し,もとの 方向を新しい 軸に重ねると,(1)の 軸が新しい 軸, 軸が新しい 軸になる。したがって回転後の式は である。
なお,反時計回りを正として 回転する約束で書くなら, 軸は新しい 軸に重なるので,式は となる。回転の向きが指定されていない場合は,この2つは軸の入れ替わりとして区別される。
(3)
定点 について とおく。移った後の点を とし,その 座標を とおく。(1)より である。したがって であり,これは すなわち と書ける。
ただし なので,符号条件も必要である。, のときは を満たす枝である。
もし なら なので,軌跡は直線 上で を満たす半直線である。もし なら なので,軌跡は直線 上で を満たす半直線である。
別解
解法2
方針
行列の2本の固有方向 , を直接調べ,それぞれの伸縮率が であることを使う。(2)では反時計回り45度の回転公式を代入する。(3)では像の和と差の積を取って を消去し, に由来する枝の条件も残す。
解答
(1) したがって, 方向は 倍, 方向は 倍される。像の点を とするともとの単位円はだから,像 はで表される。
(2)
上の点 を原点のまわりに反時計回りに45度回して へ移すとこれを(1)の式へ代入してを得る。
(3)
の像を とすると両式を掛ければただし なので, かつ のときはを満たす枝だけである。
のときはを満たす半直線である。 のときはを満たす半直線である。以上が軌跡である。
総評
行列を斜め45度の座標軸で見ると急に簡単になる問題である。目安時間は26分。成分計算だけで押すと式が重くなるが, と を足し引きすれば, 倍と 倍が見える。(2)は「曲線を回す向き」によって長軸と短軸が入れ替わるので,答案ではどちらの向きで回したかを明示したい。(3)は方程式 だけでなく, から来る符号条件を書くことが重要である。対角線上の点では双曲線ではなく半直線になる点も落としやすい。