Evolton

九州大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

3次曲線C:y=f(x)=x33xについて次の問に答えよ.

(1) t0に対して,C上の点(t,f(t))を通り,
他の点でCに接する直線をLとする.
このとき,この接点のx座標をtで表し,Lの方程式を求めよ.

(2) 曲線Cと,直線Lとで囲まれる部分の面積S(t)を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

微分積分 接線・法線、展開・因数分解、面積計算

方針

接点の x 座標を u とおき、y=x33x の接線が別の曲線上の点 (t,f(t)) を通る条件を立てる。条件式は (tu)2(t+2u)=0 と因数分解でき、ut より接点が決まる。面積は曲線と接線の差を因数分解し、符号に注意して絶対値つきで積分する。

解答

(1)

接点の x 座標を u とする。f(x)=3x23 であるから、x=u における接線は y=(3u23)(xu)+u33u である。整理すると y=(3u23)x2u3 となる。

この直線が (t,f(t))=(t,t33t) を通るので t33t=(3u23)t2u3 である。整理すると t33u2t+2u3=0 であり、これは (tu)2(t+2u)=0 と因数分解できる。

問題では (t,f(t)) とは他の点で接するとされているので、u=t ではない。したがって u=t2 である。よって接線の傾きは 3u23=34t23 であり、切片は 2u3=14t3 である。したがって L:y=(34t23)x+14t3 である。

(2)

曲線と直線の差を計算すると f(x)L(x)=x33x{(34t23)x+14t3} であり、整理して f(x)L(x)=14(xt)(2x+t)2 となる。交点は x=tx=t/2 であり、x=t/2 では接しているので重なっている。

面積は符号に注意して S(t)=t/2t14(xt)(2x+t)2dx である。積分を実行すると 14(xt)(2x+t)2dx=14x438t2x214t3x であるから t/2t14(xt)(2x+t)2dx=2764t4 となる。したがって S(t)=2764t4 である。

別解

解法2

方針

三次式と接線の差が接点を重根にもつことを利用し、係数比較だけで接点と面積の被積分関数を得る。

解答

(1)
接点の x 座標を u とする。三次式 f(x)L(x) は、x=u を重根にもち、さらに x=t を根にもつ。最高次係数は1だからf(x)L(x)=(xu)2(xt).左辺には x2 の項がない。右辺の x2 の係数は (t+2u) なのでt+2u=0,u=t2.したがってf(x)L(x)=(x+t2)2(xt)=14(2x+t)2(xt),ゆえにL: y=(34t23)x+14t3.(2)
2交点の間で差の符号は一定だからS(t)=t/2t14(xt)(2x+t)2dx.x=tu とおくと、向きも含めて絶対値を取ることによりS(t)=t441/21(u1)(2u+1)2du.ここで1/21(u1)(2u+1)2du=2716だからS(t)=2764t4.

総評

三次曲線の接線条件と面積を、因数分解で処理する問題。難度は標準上位で、目安時間は25分前後。接点を u と置いた後、(tu)2(t+2u)=0 から「他の点で接する」条件により u=t を除くのが重要である。面積では接点が重根になるため、差の式の因数分解と符号の絶対値を明示したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲、途中計算まで確認した。

冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1995年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。