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九州大学 1996年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

tを正の実数とする.
曲線y=x2上の相異なる2点P(t,t2)Q(s,s2)に対し,
Pにおけるこの曲線の法線hと線分PQの垂直二等分線lとの交点をRとする.

(1)Qを点Pに限りなく近づけるとき,
Rはある点R0に限りなく近づく.
その点R0の座標を求めよ.

(2)R0を中心とし線分R0Pの長さを半径とする円Kと曲線y=x2の共有点のうち,
P以外の点Pの座標を求めよ.

(3) 3点PR0Pが同一直線上にあるとき,
Kの内部のうちでyx2となる部分の面積を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安40

微分図形と方程式積分 接線・法線円の性質面積計算

方針

(1) は点 P の法線と、PQ の垂直二等分線をそれぞれ式にし、交点を st で極限に送る。(2) は中心 R0、半径 R0P の円に y=x2 を代入し、(xt)3(x+3t) の因数分解で接点以外を得る。(3) は同一直線条件から t を決め、円と放物線で囲まれる該当部分を区間ごとの積分に分けて面積を求める。

解答

(1)
曲線 y=x2 の点 P(t,t2) における接線の傾きは 2t である。t>0 なので法線 h の傾きは 1/(2t) であり、yt2=12t(xt) である。

次に Q(s,s2) とする。線分 PQ の中点は (s+t2,s2+t22) であり、直線 PQ の傾きは s2t2st=s+t である。したがって垂直二等分線 lys2+t22=1s+t(xs+t2) である。

この二直線を連立して交点 R を求めるとR=(s2t2st2t3,s22+st+3t22+12)である。st とすると R0(4t3,3t2+12) を得る。

(2)
K の中心は R0 で、半径は R0P である。放物線上の点を (x,x2) とおくと、円 K 上にある条件は(x+4t3)2+(x23t212)2=(t+4t3)2+(t23t212)2である。右辺は点 P での半径の二乗である。

この式を整理すると (xt)3(x+3t)=0 となる。x=t は接点 P に対応するので、P 以外の共有点は x=3t である。したがって P(3t,9t2) である。

(3)
直線 PP の傾きは 9t2t23tt=2t である。一方、点 P における法線の傾きは 1/(2t) である。3点 P,R0,P が同一直線上にあるためには 2t=12t でなければならない。t>0 だから t=12 である。

このときR0(12,54),P(12,14),P(32,94)である。円の半径は R0P=12+(1)2=2 であり、円の方程式は (x+12)2+(y54)2=2 である。

求める部分は、円の内部で放物線 y=x2 の下側にある部分である。u=x+1/2 と置くと、円に由来する面積は2212u2du+112u2duとなる。被積分関数は偶関数なので、これは222u2du=πであり、半径 2 の半円の面積に等しい。また放物線側の補正は3/21/2(x254)dx=43である。よって面積はπ43である。

別解

解法2

方針

(1)Q=P(t+h) と置き、中心から二点までの距離が等しい条件を h の二次まで正確に比較して極限中心を得る。(2) は円と放物線の交点式を因数分解する。(3) は円由来の積分を半円の面積へまとめ、逆三角関数を使わずに求める。

解答

(1) r(t)=(t,t2) とする。極限点 R0 は点 P の法線上にあるのでR0r(t)=λ(2t,1)と書ける。Q=r(t+h) とし、R0P=R0Q の極限条件を使う。r(t+h)r(t)=h(1,2t)+h2(0,1).距離の二乗の差R0r(t+h)2R0r(t)2を展開する。h の一次項は法線条件により 0 で、h2 の係数から2λ+(1+4t2)=0.よって λ=(1+4t2)/2 であり、R0=(t,t2)+1+4t22(2t,1)だからR0(4t3,3t2+12).(2)
放物線上の点 (x,x2) が円 K 上にある条件を、点 P に対する同じ条件から引いて整理すると(xt)3(x+3t)=0.x=t は接点 P であるから、もう一つの共有点はP(3t,9t2).(3)
PP の傾きは 2t、法線 PR0 の傾きは 1/(2t) である。同一直線条件から t=1/2。したがってR0(12,54),P(12,14),P(32,94).円は(x+12)2+(y54)2=2である。u=x+1/2 と置くと、円に由来する面積は2212u2du+112u2du.被積分関数は偶関数だから、これは222u2du=πすなわち半径 2 の半円の面積である。一方、放物線側の補正は3/21/2(x254)dx=43.よって求める面積はπ43.

総評

放物線の法線、曲率円に近い円、面積計算までつながる重めの後期問題。目安時間は40分。(1) の交点計算を省くと後続の信頼性が落ちるため、垂直二等分線の式を明示したい。(3) は同一直線条件で t=1/2 を出したあと、どの x 区間で円全体を取るのかを図形的に整理することが最大の失点防止になる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。

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出典: 九州大学 1996年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。