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九州大学 1996年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

Tを正の定数とする.
0tで定義された連続関数y(t)は,k=0,1,2,に対しkT<t<(k+12)Tのとき,dydt+y=1(k+12)T<t<(k+1)Tのとき,dydt+y=0のように交互に2つの微分方程式を満たす.y(kT)=limtkT0y(t)=limtkT+0y(t)y((k+12)T)=limt(k+12)T0y(t)=limt(k+12)T+0y(t)を考慮して,以下の問に答えよ.

(1) y(kT)y((k+12)T)の間の関係式
およびy((k+12)T)y((k+1)T)の間の関係式を求めよ.

(2) y(kT)y((k+1)T)の間の関係式を導き,
y(0)=0としたときのy(kT)kTを用いて表せ.

(3) 極限値limky(kT)を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24

微分数列指数・対数 漸化式の変形、特性方程式、極限計算

方針

各半周期で一次微分方程式を解き、連続条件によって端点値だけの関係式にする。q=eT/2 と置くと、y((k+1)T)=q2y(kT)+qq2 という一次漸化式になる。初期値 y(0)=0 から等比数列の和で明示式を出し、最後は 0<q<1 を用いて極限を取る。

解答

(1) q=eT/2 とおく。

まず kT<t<(k+1/2)T では dydt+y=1 である。これは y(t)=1+Cet の形であり、t=kTy(kT) をとるように書けば y(t)=1+{y(kT)1}e(tkT) である。したがって y((k+12)T)=1+{y(kT)1}q である。

次に (k+1/2)T<t<(k+1)T では dydt+y=0 であるから y(t)=y((k+12)T)e{t(k+1/2)T} となる。よって y((k+1)T)=qy((k+12)T) である。

(2)
(1) の二つの式をつなげると y((k+1)T)=q[1+{y(kT)1}q] である。したがって y((k+1)T)=q2y(kT)+qq2 となる。 Yk=y(kT) と書くと Yk+1=q2Yk+qq2 である。Y0=y(0)=0 なので、これを繰り返して Yk=(qq2)(1+q2+q4++q2(k1)) となる。0<q<1 だから Yk=(qq2)1q2k1q2=q1+q(1q2k) である。q=eT/2 に戻すと y(kT)=eT/21+eT/2{1ekT} である。

(3) T>0 なので 0<eT<1 であり、k のとき ekT0 である。したがってlimky(kT)=eT/21+eT/2=1eT/2+1である。

別解

解法2

方針

各半周期の解を積分因子でつなぎ、端点値の一次漸化式を得る。その後は漸化式の不動点を先に求め、不動点との差が等比数列になることを使って明示式と極限を同時に求める。

解答

(1)
q=eT/2 と置く。前半ではddt{et(y1)}=0だからy((k+12)T)=1+{y(kT)1}q.後半では ddt(ety)=0 だからy((k+1)T)=qy((k+12)T).(2)
Yk=y(kT) と書くとYk+1=q2Yk+qq2.この漸化式の不動点 LL=q2L+qq2よりL=q1+q.そこで Zk=YkL と置けばZk+1=q2Zk.Y0=0 だから Z0=L であり、Yk=L(1q2k).q=eT/2 に戻してy(kT)=eT/21+eT/2(1ekT).(3)
T>0 より 0<q<1 なので q2k0。したがってlimky(kT)=q1+q=1eT/2+1.

総評

区間ごとに微分方程式が切り替わるが、見るべき量は半周期ごとの端点値だけである。目安時間は24分。q=eT/2 と置くと式が一気に見やすくなり、連続条件も自然に入る。(2) では初期値から等比数列の和まで書くこと、(3) では 0<q<1 による収束を確認することが採点上大切である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。

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出典: 九州大学 1996年度 後期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。