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九州大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

実数αβαβα0β>0を満たしf(x)=3αβ(xα)(xβ),F(x)=0xf(t)dtとする.次の問に答えよ.

(1) 0βf(x)dxF(α)F(β)で表せ.

(2) α=β2のとき,
0βf(x)dxを最小にするβを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24

積分関数 絶対値の処理、定積分評価微分による最大最小

方針

絶対値の外し方は α<0α>0 で変わる。符号を区間ごとに確認して F(α)F(β) で表す。α=β2 では 0<β1 を先に確認し、得られる三次式を微分して、端点も含めて最小を判定する。

解答

(1)
まず α<0 の場合を考える。このとき 0xβ では xα>0,xβ0,αβ<0 である。したがって f(x)0 となるから 0βf(x)dx=0βf(x)dx=F(β) である。

次に α>0 の場合を考える。条件 αββ>0 より 0<αβ である。このときf(x)0(0xα),f(x)0(αxβ)である。よって0βf(x)dx=0αf(x)dxαβf(x)dxであり、F(0)=0 だから0βf(x)dx=F(α){F(β)F(α)}=2F(α)F(β)である。

したがって0βf(x)dx={F(β)(α<0),2F(α)F(β)(α>0)である。

(2) α=β2 とする。条件 αββ>0 より β2β だから 0<β1 である。この場合は α>0 なので、(1) の後半を用いる。

ここで f(x)=3β3(xβ2)(xβ) であり、展開して積分すると F(x)=x3β33(β2+β)2β3x2+3x である。したがってF(β)=3β12,F(β2)=β3+3β22となる。よってI(β)=0βf(x)dx=2F(β2)F(β)=2β3+6β23β+12である。

これを微分するとI(β)=3β2+6β32=3{β(122)}{β(1+22)}である。範囲 0<β1 に入る臨界点は β=122 だけである。 0<β<12/2 では I(β)<012/2<β1 では I(β)>0 であるから、この点で最小になる。よって求める値は β=122 である。

別解

解法2

方針

(1)f の符号表を作って絶対値を外す。(2) は x=βu と無次元化し、積分区間を 0u1 に固定する。符号が変わる u=β で分けて直接積分し、増減を調べる。

解答

(1)
α<0 では 0xβ の全域で f(x)0 だから0βf(x)dx=F(β).α>0 では 0<αβ であり、f[0,α] で正,[α,β] で負となる。したがって0βf(x)dx=F(α){F(β)F(α)}=2F(α)F(β).ゆえに0βf(x)dx={F(β)(α<0),2F(α)F(β)(α>0).(2)
α=β2 とすると 0<β1 である。x=βu と置けばf(βu)dx=3(uβ)(u1)du.0uβ では積が正、βu1 では負なのでI(β)=30β(uβ)(u1)du3β1(uβ)(u1)du.積分するとI(β)=2β3+6β23β+12.よってI(β)=3{β(122)}{β(1+22)}.0<β1 では前者の根の前で減少し、その後は増加する。したがってβ=122.

総評

絶対値付き積分を符号で分ける問題。目安時間は24分。(1) で α<0α>0 の符号が逆に見えやすいので、係数 3/(αβ) の符号まで確認することが重要である。(2) は 0<β1 の範囲制限と、端点を含む増減判定を書けば答案として安定する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。

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出典: 九州大学 1996年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。