方針
極座標表示(x,y)=(rcost,rsint)として扱う。速度の大きさはr2+(dr/dt)2で求められるので、r=1+costを代入する。(2)の道のりはその速さを[0,2π]で積分するが、cos(t/2)の符号が途中で変わるため絶対値に注意する。(3)は0≦t≦π/2で第1象限の極座標面積公式21∫r2dtを使う。
解答
(1) r(t)=1+cost,r′(t)=−sint である。極座標表示x=rcost, y=rsintでは、速さの2乗は (dtdx)2+(dtdy)2=r2+(r′)2 である。したがって r2+(r′)2=(1+cost)2+sin2t=2+2cost である。速さが1となる条件は 2+2cost=1 すなわち cost=−21 である。0≦t≦2πより t=32π,34π である。
(2)
道のりは ∫02π2+2costdt である。半角公式より 2+2cost=4cos22t なので 2+2cost=2cos2t である。0≦t≦2πでは0≦t/2≦πだから ∫02π2cos2tdt=4∫0π∣cosu∣du=8 である。
(3)
0≦t≦π/2では、求める図形の面積は極座標の面積公式により S=21∫0π/2(1+cost)2dt である。展開すると (1+cost)2=1+2cost+cos2t であり ∫0π/2cos2tdt=4π だからS=21(2π+2+4π)=1+83πである。
別解
解法2
方針
極座標の公式を引用せず、x=(1+cost)cost, y=(1+cost)sint を直接微分する。道のりは速度の半角表示、面積は境界積分 ∫xdy で求める。
解答
c=cost, s=sint と書く。
(1) x′=−s(1+2c),y′=c+cos2t.展開して整理すると(x′)2+(y′)2=2+2cost.従って速さ1の条件は cost=−1/2 でありt=32π,34π.(2)(x′)2+(y′)2=2cos2t.よって∫02π2cos2tdt=4∫0π∣cosu∣du=8.(3)
曲線を t=0 から t=π/2 へ進み、座標軸で閉じる向きは反時計回りである。座標軸上では xdy=0 だからS=∫0π/2x(t)y′(t)dt.ここでx=(1+c)c,y′=c+cos2tよりS=∫0π/2{c2+c3+ccos2t+c2cos2t}dt=4π+32+31+8π=1+83π.\Needspace{8cm}
総評
極座標曲線の速度、弧長、面積を問う問題で、目安時間は25分前後。速度公式r2+(r′)2を知っていても、導入時にr′=−sintを明記すると答案が追いやすい。(2)は4cos2(t/2)を2cos(t/2)としてしまう誤りが多く、絶対値が必要である。(3)は第1象限の閉じた領域なので、21∫r2dtをそのまま使える。
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出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。