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九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)・方程式・不等式理系数学 第5問(a)

abを与えられた実数とする.

(1) 方程式ax=bがただ1つの解をもつときの条件を述べよ.

また,この方程式が無数の解をもつときの条件および,解をもたないときの条件を述べよ.

(2) 連立1次方程式(3212a+3322a1)(xyz)=(321)がただ1つの解をもつときのaの条件を求め,このときの解を求めよ.

(3) (2)の連立1次方程式が無数の解をもつときのaの条件を求めよ.
さらに,このときの解をx=uy=vz=wとするとき,vwuで表せ.

(4) (2)の連立1次方程式が解をもたないときのaの条件を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安30

行列方程式・不等式 文字消去、場合分け、計算整理

方針

(1) は1次方程式ax=bの係数aが0かどうかで分類する。(2)以降は、1本目の式からzを消去し、x,yの2元連立へ落とす。消去後の係数行列の行列式が(a1)(2a5)になるため、a1,5/2で一意解、a=1a=5/2でそれぞれ無数解・解なしを直接確認する。

解答

(1)
方程式 ax=b について、a0ならば x=ba とただ1つに定まる。a=0のときは、b=0ならばすべての実数xが解なので無数の解をもち、b0ならば0=bとなって不可能なので解をもたない。

(2)
連立方程式を成分で書くと 3x2y+z=3 (2a+3)x+3y2z=2 2x+ayz=1 である。第1式から z=3+3x+2y である。これを第2式、第3式に代入すると (2a3)xy=4 x+(a2)y=4 を得る。この2元連立の係数の行列式は (2a3)(a2)1=(a1)(2a5) である。したがって a1,a52 のとき、ただ1つの解をもつ。

このとき解くと x=42a5,y=82a5 である。さらに z=3+3x+2y より z=6a+132a5 である。

(3)
a=1のとき、消去後の2式はともに xy=4 となる。したがって無数の解をもつ。x=uとおくと y=u4 であり z=3+3u+2(u4)=u5 である。よって x=u,y=u4,z=u5 と表される。

(4)
a=5/2のとき、消去後の2式は 2xy=4 x+12y=4 である。第1式の両辺を1/2倍すると x+12y=2 となり、第2式と矛盾する。したがって解をもたない。

以上より、解をもたない条件は a=52 である。

別解

解法2

方針

係数行列の行列式とクラメルの公式で分類する。一意解の式を先に求め、行列式が0になる a=1,5/2 では係数行列と拡大行列の階数を代入で比較する。

解答

(1) a0:一意解,a=b=0:無数解,a=0, b0:解なし.(2)
係数行列を A とするとdetA=(a1)(2a5).従ってa1,a52のとき一意解をもつ。未知数の列を定数列で置き換えた行列式は順にDx=4(a1),Dy=8(a1),Dz=(6a+13)(a1).クラメルの公式よりx=42a5,y=82a5,z=6a+132a5.(3)
a=1 では detA=Dx=Dy=Dz=0 で、実際に消去すると独立な条件はx+y=4,z=3+3x+2yだけである。x=u としてx=u,y=u4,z=u5.(4)
a=5/2 では detA=0 だがDx=60.従って拡大行列の階数が大きくなり、解をもたない。

総評

係数に文字を含む連立一次方程式の分類問題で、目安時間は30分前後。最初にzを消去して2元連立へ落とすと、分岐が(a1)(2a5)だけで管理できる。一意解の式はa=1,5/2を除いた範囲でのみ有効である。(3),(4)では、行列式が0になる値を代入し直し、同じ式になるのか矛盾するのかを確認することが得点上重要である。

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出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。