Evolton

九州大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験 複素数平面・方程式・不等式文系数学 第4問(b)

kを正の実数とするとき,方程式x3(2k+1)x2+(4k2+2k)x4k2=0の3個の解をz1z2z3とし,それらを複素数平面上の点と見なす.

(1) x=1は上の方程式の解であるかどうかを調べよ.

(2) 3点z1z2z3が一直線上にあるようなkの値を求めよ.

(3) 3点z1z2z3が直角三角形をなすようなkの値を求めよ.

(4) 3点z1z2z3を原点のまわりに角θだけ回転してえられる3点をw1w2w3とする.
w1w2w3およびそれらと共役な点w1w2w3とが,
原点中心の正六角形の頂点となるとき,kおよびθ (0θ180)の値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

複素数平面方程式・不等式 展開・因数分解、複素数の極形式、図形的解釈

方針

3次式を (x1)(x22kx+4k2) に因数分解し、解を複素数平面上の3点 (1,0),(k,3k),(k,3k) と見る。一直線条件は3点の x 座標、直角条件は2つのベクトルの内積、正六角形条件は原点からの距離と偏角で処理する。文系の設定では k>0 なので、理系版で現れる負の候補は除外する。

解答

(1)

与えられた3次式を因数分解すると x3(2k+1)x2+(4k2+2k)x4k2=(x1)(x22kx+4k2) である。したがって x=1 はこの方程式の解である。

(2)

2次方程式 x22kx+4k2=0 の解は x=k±k24k2=k±3k2 である。k>0 より z1=1,z2=k+3ki,z3=k3ki とおける。複素数平面では、これらは (1,0),(k,3k),(k,3k) である。後の2点は直線 x=k 上にあるので、3点が一直線上にあるには (1,0) もこの直線上になければならない。よって k=1 である。

(3)

3点は x 軸に関して対称であり、z2z1=z3z1 である。したがって直角三角形になるなら、直角は (1,0) にある。2つのベクトル (k1,3k),(k1,3k) の内積が0になればよいから (k1)23k2=0 である。整理すると 2k2+2k1=0 であり、k>0 より k=1+32 である。

(4)

原点中心の正六角形の頂点になるには、6点がすべて原点から同じ距離になければならない。z1=1、また z2=z3=k2+3k2=2k であるから 2k=1 すなわち k=12 である。

このとき、回転前の3点の偏角は 0,60,60 である。これらを 90 回転すると 90,150,30 となり、共役な点の偏角は 270,210,330 となる。これは原点中心の正六角形の6頂点である。0θ180 で重なりなく60度間隔にするにはこの配置に限られるので θ=90 である。

実軸に関して対称な3根の配置

別解

解法2

方針

3根を座標に直し、一直線条件は三角形の面積、直角条件は3辺の長さの2乗、正六角形条件は原点からの距離と偏角の集合で判定する。

解答

3次式は(x1)(x22kx+4k2)と因数分解できる。したがって3点は(1,0),(k,3k),(k,3k)である。

(1)

x=1 を代入すれば0になるので、常に解である。

(2)

3点が作る三角形の面積の2倍はk13kk13k=23k(k1).よって一直線条件は k=0,1 である。文系では k>0 なのでk=1.(3)

対称な2辺の長さの2乗はL2=(k1)2+3k2,底辺の長さの2乗は 12k2 である。直角三角形になるには底辺が斜辺で12k2=2L2となればよい。整理すると2k2+2k1=0.k>0 よりk=312.(4)

正六角形の頂点は原点から等距離なので1=2kが必要で、k=1/2 である。このとき3根の偏角は0,π3,π3.θ=π/2 だけ回転すると偏角はπ2,5π6,π6となり、共役な3点と合わせて60度間隔の6点になる。したがってk=12,θ=90である。

総評

因数分解後に複素数を座標として読む問題で、想定時間は30分程度。一直線条件を複素数の比で処理してもよいが、ここでは対称な2点が縦に並ぶことを使うと速い。直角条件では、二等辺三角形であることから直角の位置を先に決めるのが計算を減らすポイントである。(4)は距離条件 2k=1 を先に出さないと、偏角だけをいじっても候補が整理できない。

冊子PDFで見る九大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1998年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。