Evolton

九州大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験 ベクトル理系数学 第5問(a)

辺の長さ1の正四面体OABCにおいて,
a=OAb=OB
c=OCとおき,
線分OAm:nに内分する点をP,線分BCm:nに内分する点をQ
線分COm:nに内分する点をR,線分ABm:nに内分する点をSとする.
(ただし,m,n>0とする.)

(1)

(i) PQRS
abcで表せ.

(ii) PQRSが垂直かどうかを調べよ.

(2)

(i) 点PQRSが同一平面上にあるときのmnの関係を求めよ.

(ii) このときPQRSの交点をGとして,OG
abcで表せ.

(iii) Gは正四面体OABCに外接する球の中心であることを示し,
その球の半径を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安40

ベクトル ベクトル成分計算内積の利用図形的解釈

方針

内分点の位置ベクトルを m,n のまま表し、正四面体の内積 ab=bc=ca=1/2 で垂直性を確認する。同一平面条件は、SP,Q,R の張る平面上にあるとして係数比較し、(mn)(m2+n2)=0 まで落とす。以後は m=n として交点と外接球中心を直接距離計算で示す。

解答

(1)

(1) (i)

内分点の公式よりOP=mm+na,OQ=nb+mcm+nである。またOR=nm+nc,OS=na+mbm+nである。したがってPQ=ma+nb+mcm+n,RS=na+mbncm+nである。

(1) (ii)

正四面体よりa=b=c=1,ab=bc=ca=12である。(1)(i)の2つのベクトルの内積を計算すると(m+n)2PQRS=(ma+nb+mc)(na+mbnc).長さの2乗の項は mn+mnmn=mn で、異なるベクトルの内積の項は 12{(n2m2)+2mn+(m2n2)}=mn である。したがって内積は0となり、PQRS である。

(2)

(2) (i)

4点 P,Q,R,S が同一平面上にあるとする。このときOS=αOP+βOQ+(1αβ)ORと書ける。両辺に m+n を掛け、a,b,c の係数を比較すると n=αm,m=βn,0=βm+(1αβ)n を得る。最初の2式から α=nm,β=mn である。これを3つ目の式に代入すると 0=m2n+nn2mm であり、両辺に mn を掛けて整理すると (mn)(m2+n2)=0 となる。m,n>0 なので m2+n2>0 であり、m=n が必要である。

逆に m=n のときOP=12a,OQ=12(b+c),OR=12c,OS=12(a+b)であり、PS=12b=RQ となる。したがって4点は同一平面上にある。よって求める条件は m=n である。

(2) (ii) m=n のとき、PQRS は同じ中点をもつ。したがって交点 GOG=12(OP+OQ)=14(a+b+c)である。

(2) (iii) G から各頂点までの距離を直接計算する。まず 16GO2=a+b+c2=6 である。また 4GA=3abc だから16GA2=3abc2=9+1+1+2(3232+12)=6である。同様に 16GB2=16GC2=6 である。したがって GO=GA=GB=GC となり、G は正四面体 OABC に外接する球の中心である。半径は 64 である。

正四面体の各辺上の内分点

別解

解法2

方針

a,b,c を座標軸とみなす斜交座標で4点を表す。同一平面条件は3本の差ベクトルの行列式で判定し、m=n の後は平行四辺形の対角線と正四面体の対称性を使う。

解答

(1)

(1) (i)

内分点の斜交座標はP=1m+n(m,0,0),Q=1m+n(0,n,m),R=1m+n(0,0,n),S=1m+n(n,m,0).したがってPQ=ma+nb+mcm+n,RS=na+mbncm+n.(1)(ii)

正四面体ではa=b=c=1,ab=bc=ca=12.これを用いて内積を展開すると0となるので PQRS

(2)

(2) (i)

4点が同一平面上にある条件はdet(QP, RP, SP)=0.分母 (m+n)3 を除いた行列式は(nm)(m2+n2)である。m,n>0 より m2+n2>0 なのでm=n.(2)(ii)

m=n では PQRS が平行四辺形になり、対角線の中点が G である。よってOG=14(a+b+c).(2)(iii)16GO2=a+b+c2=6.また16GA2=3abc2=6であり、対称性から GB2=GC2=6/16 も成り立つ。よって G は外接球中心で、半径は64.

総評

文系版より一段重く、同一平面条件を一般の m,n で処理するところが山場の空間ベクトル問題で、想定時間は40分程度。係数比較では α,β を置いた後、最後の c の係数まで必ず使うことが重要である。m=n に落ちた後は対称性が強くなるので、交点と外接球中心は中点・距離計算で整然と示せる。

冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1998年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。