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九州大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

複素数zに対し,w=za+1zbとおくとき,以下の問いに答えよ.
ただし,abは正の整数である.

(1) wが実数となるようなzの集合を複素数平面上で示せ.

(2) w=0をみたすzの値をαβとし,
複素数平面でαβに対応する点をP(α)Q(β)とする.
原点Oと点P,点Qを結ぶ三角形が正三角形となるためのabの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

複素数平面方程式・不等式整数 実部虚部比較、解と係数の関係、必要十分条件

方針

(1)z=x+yi とおき、1/(zb) の虚部を計算して w が実数となる条件を出す。実軸と、中心 b、半径1の円が現れるが、z=b は定義できないので除外する。(2)は w=0 を2次方程式に直し、根 α,β の和と積を使う。正三角形条件から α=β かつ2根が実軸対称になるため、(a+b)2=3(ab+1) を得て、正の整数解を絞る。

解答

(1) z=x+yi とおく。ただし zb である。このとき 1zb=1xb+yi=xbyi(xb)2+y2 である。したがって w=za+1zb の虚部は yy(xb)2+y2 である。これが0となる条件は y(11(xb)2+y2)=0 である。よって y=0 または (xb)2+y2=1 である。

したがって求める集合は、実軸上の点全体から z=b を除いたものと、中心 (b,0)、半径1の円である。ただし式 wz=b では定義されないので、その点は除く。

(2) w=0za+1zb=0 である。両辺に zb を掛けると (za)(zb)+1=0 すなわち z2(a+b)z+ab+1=0 である。根を α,β とすると、解と係数の関係より α+β=a+b,αβ=ab+1 である。

係数は実数なので、虚数解が現れるときは共役な2根である。三角形 OPQ が正三角形であるためには、α,β は原点から同じ距離にあり、実軸に関して対称で、なす角が 60 でなければならない。原点からの距離を ρ とすると αβ=α2=ρ2 であり、また2点の実部は ρcos30 なので α+β=2ρcos30=3ρ である。したがって a+b=3ρ,ab+1=ho2 となる。これより (a+b)2=3(ab+1) である。整理すると a2ab+b2=3 を得る。 a,b は正の整数である。もし a3 または b3 なら左辺は3を超えるので、候補は 1,2 の範囲に限られる。実際に調べると(1,1)1,(1,2)3,(2,1)3,(2,2)4である。よって求める値は (a,b)=(1,2),(2,1) である。

別解

解法2(正三角形の偏角とVietaの公式)

方針

w=0 の2根をVietaの公式で扱い、正三角形の2頂点を
ρe±iπ/6 と表す。整数条件は正定値二次式の小さな値の探索になる。

解答

(1)
z=x+yi とおくとImw=yy(xb)2+y2.従ってy=0または(xb)2+y2=1.ただし z=b は除く。よって実軸と、中心 b、半径1の円が求める集合である。

(2)
w=0z2(a+b)z+ab+1=0.正三角形の2頂点は、正の実軸に関して対称なので、ある ρ>0 を用いてα=ρeiπ/6,β=ρeiπ/6と書ける。Vietaの公式からa+b=3ρ,ab+1=ρ2.従って(a+b)2=3(ab+1),a2ab+b2=3.左辺は(ab2)2+34b2なので a,b2 だけを調べればよい。正の整数解は(a,b)=(1,2),(2,1)であり、どちらも元の条件を満たす。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中6。目安は22分。w の虚部を直接計算すると、実軸と円がきれいに現れる。z=b では分母が0になるため、集合から除くことを忘れないこと。(2)は2根を複素平面上の点として見て、正三角形なら和が 3ρ、積が ρ2 になることを使う。最後の整数解チェックは短くてもよいが、正の整数条件を明記したい。

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出典: 九州大学 2000年度 後期 理系 後期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。