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九州大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験 微分・図形と方程式理系数学 第5問(a)

関数f(x)の第2次導関数はつねに正とし,
関数y=f(x)のグラフG上の点P(t,f(t))における接線とx軸のなす角をθ(t)とする.
ただしθ(t)π2<θ<π2
接線の傾きが正,負,0に従って正,負,0の値をとるものとする.
また,点PにおけるGの法線上にPから距離1の点Q(α(t),β(t))Gの下側にとる.

(1) θ(t)はつねに増加することを示せ.

(2) α(t)β(t)を求めよ.

(3) taからb (a<b)まで変化するとき,
PQが描く曲線の長さをそれぞれL1L2とする.
L2L1θ(a)θ(b)を用いて表せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

微分図形と方程式 接線・法線、計算整理、定積分評価

方針

tanθ(t)=f(t) を微分すれば、f(t)>0 から θ(t)>0 が従う。点 Q は点 P から下向き法線方向へ距離1だけ進んだ点なので、接線方向の単位ベクトル (cosθ,sinθ) を90度回転して (sinθ,cosθ) を使う。曲線長は速度の大きさの積分であり、Q=P+(sinθ,cosθ) を微分すると、P の速度に θ だけ余分な長さが加わる。

解答

(1)

接線の傾きは f(t) であり、角 θ(t)tanθ(t)=f(t) を満たす。π/2<θ<π/2 なので cosθ>0 である。両辺を t で微分すると θ(t)cos2θ(t)=f(t) である。仮定より f(t)>0、また cos2θ(t)>0 だから θ(t)>0 である。したがって θ(t) はつねに増加する。

(2)

接線方向の単位ベクトルは (cosθ,sinθ) である。これに垂直で、グラフの下側へ向かう単位ベクトルは (sinθ,cosθ) である。点 QP(t,f(t)) からこの方向へ距離1だけ進んだ点なので Q=(t,f(t))+(sinθ(t),cosθ(t)) である。したがって α(t)=t+sinθ(t),β(t)=f(t)cosθ(t) である。

(3)

まず P の速度ベクトルは P(t)=(1,f(t))=(1,tanθ) である。よってその大きさは P(t)=1+tan2θ=1cosθ である。したがってL1=abdtcosθ(t)である。

次に Q=P+(sinθ,cosθ) を微分する。すると Q=P+θ(cosθ,sinθ) である。一方 P=1cosθ(cosθ,sinθ) なので Q=(1cosθ+θ)(cosθ,sinθ) となる。(1)より θ>0 であり、cosθ>0 なので係数は正である。したがって Q=1cosθ+θ である。

よってL2=ab(1cosθ(t)+θ(t))dtであり、差をとるとL2L1=abθ(t)dt=θ(b)θ(a)である。

別解

解法2

方針

P の弧長を新しい変数 σ とし、
単位接ベクトルと下向き単位法線を角 θ で表す。
平行曲線 Q の弧長要素を σ 上で比較する。

解答

(1)
問題の定義よりtanθ(t)=f(t),π2<θ(t)<π2.両辺を t で微分するとθ(t)cos2θ(t)=f(t).f(t)>0 かつ cos2θ(t)>0 だから θ(t)>0 であり、θ(t) は増加する。

(2)
単位接ベクトルはT=(cosθ,sinθ)で、下向き単位法線はN=(sinθ,cosθ)である。したがってQ=P+N,α=t+sinθ,β=f(t)cosθ.(3)
P の弧長を σ とするのでdPdσ=T.またdNdσ=dθdσT.よってdQdσ=(1+dθdσ)T.(1)より角は増加し、係数は正である。したがってdL2=dσ+dθ,dL1=dσ.t=a から b まで足し合わせるとL2L1=θ(b)θ(a).

総評

凸な曲線の接線角と法線方向に離れた曲線の長さを扱う問題。難度は高め、計算量は中程度で、目安時間は22〜26分。tanθ=f を微分して θ>0 を出すところ、下向き法線の単位ベクトルを (sinθ,cosθ) と正しく選ぶところが得点の中心である。(3)では Q が接線方向のベクトルにまとまり、速さが 1/cosθ+θ になるのが決定的な計算である。θ の単調性があるため絶対値処理が複雑にならない点も明記したい。

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出典: 九州大学 2001年度 前期 理系 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。