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九州大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験 複素数平面・図形と方程式理系数学 第4問(b)

複素数平面上の原点を中心とする半径1の円C上に相異なる3点z1,z2,z3をとる.
次の問いに答えよ.

(1) w1=z1+z2+z3とおく.
w1は3点z1,z2,z3を頂点とする三角形の垂心になることを示せ.
ここで,三角形の垂心とは,各頂点から対辺またはその延長線上に下ろした3本の垂線の交点のことであり,
これらの3本の垂線は1点で交わることが知られている.

(2) w2=z1z2z3とおく.
w2z1のとき,
2点z2,z3を通る直線上に点z1から下ろした垂線またはその延長線が円Cと交わる点はw2であることを示せ.
ここでz1z1に共役な複素数である.

(3) 2点z2,z3を通る直線とこの直線上に点z1から下ろした垂線との交点は,
w1と点w2を結ぶ線分の中点であることを示せ.
ただし,w1=w2のときは,w1w2の中点はw1と解釈する.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面図形と方程式 実部虚部比較、図形的解釈円の性質

方針

単位円上では z=1/z が使える。直線への垂直性は、2つの方向を表す複素数の比が純虚数であることに言い換える。(1)は (z2+z3)/(z3z2) の共役が負になることを示し、添字を替える。(2)は w2 が単位円上にあり、かつ同じ垂線上にあることを示す。(3)は中点 (w1+w2)/2 が垂線上かつ直線 z2z3 上にあることを、商が実数である計算で確認する。

解答

(1)

単位円上の点については zj=1zj(j=1,2,3) が成り立つ。

まず、複素数平面で2つの直線が垂直であることは、それぞれの方向を表す複素数の比が純虚数であることと同値である。したがって、点 z1 から直線 z2z3 に下ろした垂線上に点 z があることは zz1z3z2 が純虚数であることと同値である。

ここで w1=z1+z2+z3 とすると w1z1z3z2=z2+z3z3z2 である。この共役を取ると(z2+z3z3z2)=1/z2+1/z31/z31/z2=z2+z3z2z3=z2+z3z3z2である。よってこの商は純虚数であり、w1z1 から直線 z2z3 に下ろした垂線上にある。

同じ計算を添字を入れ替えて行えば、w1z2 から直線 z3z1 に下ろした垂線上にも、z3 から直線 z1z2 に下ろした垂線上にもある。したがって w1=z1+z2+z3 は三角形 z1z2z3 の垂心である が示された。

(2)

まず w2=z1z2z3=1 であるから、w2 は円 C 上にある。

次に w2z1 から直線 z2z3 に下ろした垂線上にあることを示す。w2=z2z3/z1 と書けるので w2z1z3z2=z2z3+z12z1(z3z2) である。この共役を取ると(w2z1z3z2)=z1/(z2z3)1/z11/z31/z2=z12+z2z3z1(z3z2)=w2z1z3z2.したがってこの商は純虚数であり、w2 はその垂線上にある。 w2z1 のとき、直線 z2z3 に垂直で z1 を通る直線は円 Cz1 およびもう1点で交わる。いま w2 はその直線上かつ円 C 上にあり、w2z1 だから、そのもう1つの交点は w2=z1z2z3 である。

(3) w=w1+w22 とおく。w1 は(1)より、w2 は(2)の計算より、どちらも z1 から直線 z2z3 に下ろした垂線上にある。したがって中点 w もこの垂線上にある。

あとは w が直線 z2z3 上にあることを示せばよい。w2=z2z3/z1 であるから w=z1+z2+z3z2z3/z12 である。よって R=wz2z3z2=z1z2+z3z2z3/z12(z3z2) とおく。

この共役を計算するとR=1/z11/z2+1/z3z1/(z2z3)2(1/z31/z2)=z12+z1z3z1z2z2z32z1(z3z2)=z1z2+z3z2z3/z12(z3z2)=R.したがって R は実数であり、w は直線 z2z3 上にある。

以上より w は、直線 z2z3 と、z1 からこの直線に下ろした垂線との交点である。したがって求める点は w1+w22 である。w1=w2 の場合も、この式は問題文の解釈どおり w1 を表す。

別解

解法2(垂心の鏡映)

方針

単位円上の弦の方向を偏角で捉えて w1,w2 が同じ高さ上にあることを示す。
(3)は、三角形の垂心を辺に関して反射した点が外接円上にあるという
円周角の幾何から直ちに結ぶ。

解答

zj=eiθj とする。

(1) w1z1=z2+z3=2cosθ2θ32ei(θ2+θ3)/2.z2z3 の方向角は
(θ2+θ3)/2+π/2 だから、
w1z1 はこの弦に垂直である。添字を替えて同様に示せるので
w1 は垂心である。

(2) w2=ei(θ2+θ3θ1+π)より w2 は単位円上にある。弦 z1w2 の方向角はθ1+θ2+θ3θ1+π2+π2θ2+θ32(modπ),したがって弦 z2z3 と垂直である。w2z1 なら、
高さと円のもう一つの交点は w2 である。

(3)
垂心 w1 を直線 z2z3 に関して反射した点を w とする。
高さの足を D とすれば D は線分 w1w の中点である。
また垂心の定義からz2wz3=z2w1z3=πz2z1z3.よって対角の和が π となるため z1,z2,w,z3 は同一円周上にある。
wz1 を通る高さ上の第2交点なので、(2)の一意性から w=w2
したがって高さの足 DD=w1+w22である。w1=w2 の場合も同じ解釈になる。

総評

難度7、計算量6。目安時間は
26〜30分。
主題は複素数平面・図形と方程式である。解法1では誘導に沿った標準的な答案を、解法2では
異なる見方から全小問を再構成した。採点では、途中の必要条件を十分条件まで戻すこと、
場合分けの境界・等号条件・定義域を明記することが重要である。

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出典: 九州大学 2002年度 前期 理系 第4問(b)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。