方針
まず固定点 を求める。 と差を取ると、非同次漸化式が という同次形になる。
は上三角行列の累乗で、右上成分が積ごとに1ずつ増えることを帰納法で示す。最後に に代入して成分を整理する。
解答
(1) とおく。条件 はである。成分で書くとである。第2式より 、これを第1式に代入して となるから である。したがってである。
(2) であるから、である。したがって が成り立つ。
(3) である。まず ではなので成り立つ。ある でが成り立つと仮定すると、である。よって数学的帰納法によりである。
(4)
(1) よりであり、 だからである。(2) より なので、(3) を用いてである。したがってである。
別解
解法2
方針
(1) で固定点を求め、(2),(3) の関係を確認する。(4) では列ベクトルの2成分を と置き、まず 、次に の非同次漸化式を順に解く。
解答
(1)
成分を比較すると固定点はである。
(2)
を漸化式から引いて(3)
数学的帰納法により(4)
(4) は成分の漸化式からも求められる。 とすると であるから である。また にこの を代入して整理すると、同じく を得る。固定点を引く主解の方が、2成分を同時に処理できて短い。
総評
非同次のベクトル漸化式を固定点で同次化する典型問題で、目安時間は18分程度。 を求めずに直接反復すると式が複雑になるため、(1),(2) の誘導を素直に使うのがよい。 の右上成分が になることは帰納法で明示する。別解の成分計算でも解けるが、 に が入るため、固定点を引く方法の方が見通しがよい。