Evolton

九州大学 2007年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

平面上の点の移動(1次変換)に関する以下の問いに答えよ.

(1) 直線y=xに関する対称移動を表す行列Aを求めよ.

(2)Pを原点を中心として正の向き(反時計回り)に60度回転し,
さらに直線y=xに関して対称移動したときの点をPとする.
PPに移す移動を表す行列Bを求めよ.

(3)Q(1,0)に対してBで表される移動を3回行った点をRとする.
Rの座標を求めよ.

(4) Bで表される移動により点Sが点(1,1)に移動したとする.
Sの座標を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

行列図形と方程式 回転・拡大ベクトル成分計算、計算整理

方針

(1) は直線 y=x に関する反射が (x,y)(y,x) であることから行列を作る。(2)は先に60度回転,その後に反射なので,行列の積の順序は「反射行列 × 回転行列」である。(3)(4)は B2=E を確認し,3回作用は1回作用と同じ,逆変換も B 自身であることを使う。別解として,回転と反射の合成は反射になり,2回で元に戻ることを幾何的に見てもよい。

解答

(1)

直線 y=x に関する対称移動では,点 (x,y)(y,x) に移る。したがって,この移動を表す行列 AA=(0110)である。

(2)

原点中心に正の向きに60度回転する行列を R60 とするとR60=(12323212)である。問題の移動は,まず R60 を行い,次に A を行うので,求める行列は B=AR60 である。よってB=(0110)(12323212)=(32121232)である。

(3)

まずB2=(32121232)2=(1001)である。したがって3回行った結果は B3Q=BQ と同じである。Q=(1,0) よりBQ=(3212)である。よって R(32,12) である。

(4) B2=E なので,B の逆変換は B 自身である。したがってBS=(11)を満たす点 SS=B(11)である。計算するとS=(3+12312)である。よってS(3+12,312)である。

「先に回転、後に反射」なので、列ベクトルに作用する行列は B=AR60 の順で掛ける。

別解

解法2

方針

回転と鏡映の合成を幾何的に一つの鏡映として捉える。方向角 θ のベクトルは、60度回転で θ+60、方向角 45 の直線に関する鏡映で 2(45)(θ+60)=θ150 へ移る。この角度変換から行列と、2乗が恒等変換であることを同時に得る。

解答

(1)

直線 y=x に関する鏡映は(x,y)(y,x)だからA=(0110).(2)

単位ベクトル (cosθ,sinθ) をまず 60 回し、その後 y=x に関して反射するとx=sin(θ+60),y=cos(θ+60).加法定理で cosθ,sinθ の係数を読むと(xy)=(32121232)(xy).したがってこれが B である。

(3)

この変換は一つの鏡映なので、2回行えば元に戻る。よって B2=EB3=B である。したがってR=B(10)=(3212).(4)

逆変換も B 自身だからS=B(11)=(3+12312).

総評

難度4,計算量4。合成順序を間違えないことが最重要である。列ベクトルに左から行列を掛ける流儀では,先に回転,後に反射なので B=AR60 になる。後半は B2=E の確認で一気に短くなる。幾何的には反射変換なので2回で元に戻る,という見方を持っておくと計算結果の検算にもなる。目安時間は15分前後。

冊子PDFで見る九大の行列の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2007年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。