方針
(1) は定義に従って積の順序を保ちながら計算する。(2)は右上成分を等比和 とおいた行列の形を予想し、 と を別々に正確に計算して数学的帰納法で示す。最後に行列式型の量 を等比和へ直して極限をとる。
解答
(1)
まずである。したがってさらにより(2)とおきを帰納法で示す。 では なので成立する。
で成立すると仮定する。このときしたがってしかもだから、帰納法により主張がすべての で成り立つ。
よって なので
左上・左下・右下の3成分は保存され、右上成分だけが一次漸化式に従う。
別解
解法2
方針
行列全体の形を先に予想せず、4成分の漸化式を直接作る。左上・左下・右下の3成分が初期値から変化しないことを帰納的に確認し、右上成分だけの一次漸化式を解く。
解答
(1)
定義へ を代入すると同様に を代入してを得る。
(2) として の各成分を比較するととなる。初期値 を入れると、右辺からが保たれる。したがってすべての でこのとき右上成分はを満たすのでゆえに だから
総評
難度5,計算量5。特殊な行列の形が保存されることを見抜く問題である。最初の2項を計算しただけで結論に飛ばず,右上成分の等比和を帰納法で示すことが採点上重要になる。 は通常の行列式の形なので,最後は右上成分から等比和が出る。成分計算で と の順序を入れ替えないよう注意したい。目安時間は20分前後。