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九州大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

OABにおいて,辺AB上に点Qをとり,直線OQ上に点Pをとる。
ただし,点Pは点Qに関して点Oと反対側にあるとする。
3つの三角形OAPOBPABPの面積をそれぞれabcとする。
このとき,次の問いに答えよ。

(1) OQOAOBおよびabを用いて表せ。

(2) OPOAOBおよびabcを用いて表せ。

(3) 3辺OAOBABの長さはそれぞれ3,5,6であるとする。
Pを中心とし,3直線OAOBABに接する円が存在するとき,
OPOAOBを用いて表せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 面積比、ベクトル成分計算図形的解釈

方針

POQ 上で Q の外側にあるので,面積比からまず AQ:QB=a:b を読む。これにより Q の位置ベクトルが内分公式で出る。次に OP/OQλ とおくと,a+b=λ[OAB]c=(λ1)[OAB] となるため,[OAB]=a+bc と分かる。(3)は3直線への距離が等しいことを,面積が辺の長さに比例することへ変換する。

解答

(1)

直線 OQ を基準に見ると,OAPOBP は同じ底辺 OP を持ち,高さはそれぞれ点 AB から直線 OQ への距離である。点 QAB 上にあるので,これらの距離の比は AQ:QB に等しい。したがって AQ:QB=a:b である。

よって内分公式よりOQ=bOA+aOBa+bである。

(2) OP=λOQ とおく。点 PQ に関して O と反対側にあるので λ>1 である。OAB の面積を T とする。 POQ 方向に λ 倍した位置に取ると,OAPOBP の面積の和は a+b=λT である。一方,P から直線 AB への距離は,O から AB への距離の λ1 倍なので c=(λ1)T である。したがって T=(a+b)c=a+bc であり,λ=a+ba+bc となる。ゆえに(1)よりOP=a+ba+bcbOA+aOBa+b=bOA+aOBa+bcである。

(3)

P を中心とし,3直線 OA,OB,AB に接する円が存在するなら,P からこれら3直線への距離はすべて等しい。その共通の距離を r とする。

各三角形の面積は,対応する辺を底辺とするとa=12OAr,b=12OBr,c=12ABrである。OA=3,OB=5,AB=6 より a:b:c=3:5:6 である。これを(2)に代入するとOP=5OA+3OB3+56=5OA+3OB2である。

P は半直線 OQ 上で Q の外側にある。

別解

解法2

方針

Q=(1t)A+tBP=λQ と媒介し,各三角形の面積を行列式の倍率として表す。面積比から tλ を直接決めるため,内分公式を先に使わずに位置ベクトルが得られる。

解答

(1) u=OAv=OB とし,OQ=(1t)u+tv,OP=λOQとおく。ただし 0<t<1,λ>1 である。三角形 OAB の面積を T とすると,行列式の倍率からa=λtT,b=λ(1t)T.よって t=a/(a+b) であり,OQ=bu+ava+b=bOA+aOBa+b.(2) 上の2式から a+b=λT である。また,PQ の外側にあるのでc=(λ1)T.したがって T=a+bcλ=(a+b)/(a+bc) である。(1)へ代入してOP=bOA+aOBa+bcを得る。

(3) P から3直線への共通距離を r とするとa:b:c=OA:OB:AB=3:5:6.よって(2)に a:b:c=3:5:6 を代入すればOP=5OA+3OB3+56=5OA+3OB2となる。

総評

難度6,計算量5。図形を座標化しなくても,面積比だけで位置ベクトルが決まる良問である。(1)では AQ:QB の向きを逆にしないこと,(2)では cPQ を越えた分に対応するため a+bcOAB の面積になることがポイントである。(3)は接円の半径そのものを求める必要はなく,面積が辺の長さに比例することだけ使えばよい。15分程度で整理したい。

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出典: 九州大学 2008年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。