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九州大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験(数学文系)文系数学 第4問

曲線y=x2の点P(a,a2)における接線と
Q(b,b2)における接線が点Rで交わるとする.
ただし,a<0<bとする.このとき,次の問いに答えよ.

(1)Rの座標および三角形PRQの面積を求めよ.

(2) 線分PRと線分QRを2辺とする平行四辺形をPRQSとする.
折れ線PSQと曲線y=x2で囲まれた図形の面積を求めよ.

(3) PRQ=90を満たしながらPQが動くとき,
(2)で求めた面積の最小値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

微分積分図形と方程式 接線・法線面積計算、相加相乗平均

方針

放物線y=x2の接線をy=2uxu2として,まず2本の接線の交点Rを求める.三角形の面積はベクトルの行列式で処理する.(2)では平行四辺形の第4頂点S=P+QRを求め,折れ線PSQを2本の直線として表し,放物線との差を積分する.(3)はRPRQの内積が0という直角条件からab=1/4を得て,baの最小値を相加相乗平均で求める.

解答

(1)

曲線y=x2x=uにおける接線は y=2uxu2 である.したがって,Pにおける接線は y=2axa2 であり,Qにおける接線は y=2bxb2 である.交点Rでは 2axa2=2bxb2 である.abより 2(ab)x=(ab)(a+b) だから x=a+b2 である.これをy=2axa2に代入して y=a(a+b)a2=ab を得る.よって R(a+b2,ab) である.

次に三角形PRQの面積を求める.d=ba>0とおくとRP=(d2,ad),RQ=(d2,bd)である.したがって[PRQ]=12(d2)bd(ad)d2=12bd22+ad22=12(ba)d22=d34である.よって [PRQ]=(ba)34 である.

(2)

平行四辺形PRQSでは,対角の頂点Sは S=P+QR である.よってS=(a+ba+b2,a2+b2ab)=(a+b2,a2ab+b2)である.

直線PSの傾きは a2ab+b2a2a+b2a=b(ba)(ba)/2=2b だから,その方程式は y=a2+2b(xa)=a22ab+2bx である.同様に,直線SQの傾きは2aであり,方程式は y=b2+2a(xb)=b22ab+2ax である.

したがって求める面積は,折れ線PSQと放物線y=x2との差を積分してa(a+b)/2(a22ab+2bxx2)dx+(a+b)/2b(b22ab+2axx2)dxである.ここでd=baとし,第1の積分でx=a+uとおくと,0ud/2a22ab+2b(a+u)(a+u)2=2duu2 となる.よって第1の積分は0d/2(2duu2)du=[du2u33]0d/2=d34d324=5d324である.第2の積分も対称に同じ値になるので,求める面積は 25d324=5d312 である.したがって 5(ba)312 である.

(3) PRQ=90RPRQ=0 と同値である.(1)で用いた表示からRP=(d2,ad),RQ=(d2,bd)なのでRPRQ=d24abd2=d2(ab+14)である.d>0より,直角条件は ab=14 である. a<0<bなのでu=a>0とおくと b=14u である.したがって ba=b+u=u+14u である.相加相乗平均より u+14u2u14u=1 であり,等号はu=1/2,すなわちa=1/2,b=1/2のとき成り立つ.

(2) の面積は5(ba)3/12であり,ba1だから最小値は 512 である.

放物線・2本の接線・折れ線 PSQ

別解

解法2

方針

接点の中点と半差 m=(a+b)/2, h=(ba)/2 を導入する.接線の交点と三角形面積を m,h で対称に表し,折れ線と放物線の差も中央 x=m の左右で積分する.直角条件は 4(h2m2)=1 となるため,面積最小化が h1/2 に直結する.

解答

m=a+b2h=ba2>0 とおく.このときa=mh,b=m+h.(1)

接線の交点はR(m,ab)=R(m,m2h2)である.またRP=(h,2h(hm)),RQ=(h,2h(h+m)).したがって行列式の絶対値は(h)2h(h+m)h2h(hm)=4h3であり,[PRQ]=2h3=(ba)34.(2)

平行四辺形の第4頂点はS=P+QR=(m,m2+3h2)である.ξ=xm とおく.左半分 hξ0 で,直線 PS と放物線の差はξ2+2hξ+3h2となる.右半分は対称なので,求める面積は2h0(ξ2+2hξ+3h2)dξ=253h3=103h3=512(ba)3.(3)

直角条件はRPRQ=h2+4h2(hm)(h+m)=h2{4(h2m2)1}=0.h>0 だからh2=m2+1414.よって h1/2,すなわち ba=2h1 である.等号は m=0,h=1/2,つまりa=12,b=12のときに実現する.したがって面積の最小値は512である.

総評

難度6,計算量6,目安時間25分.接線交点,平行四辺形,折れ線との面積,直角条件をつなぐ総合問題である.通常の a,b による解法と,中点・半差 m,h で対称化する解法を収録した.積分は左右2区間を別行で示し,等号 a=1/2, b=1/2 の実現まで確認した.

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出典: 九州大学 2009年度 前期 文系 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。