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九州大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

xy平面上に曲線y=1x2を描き,
この曲線の第1象限内の部分をC1,第2象限内の部分をC2と呼ぶ。
C1上の点P1(a,1a2)からC2に向けて接線を引き,
C2との接点をQ1とする。
次に点Q1からC1に向けて接線を引き,C1との接点をP2とする。
次に点P2からC2に向けて接線を引き,接点をQ2とする。
以下同様に続けて,C1上の点列PnC2上の点列Qnを定める。
このとき,次の問いに答えよ。

(1)Q1の座標を求めよ。

(2) 三角形P1Q1P2の面積S1を求めよ。

(3) 三角形PnQnPn+1 (n=1,2,3,)の面積Snを求めよ。

(4) 級数n=1Snの和を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安20

微分積分数列 接線・法線面積計算和の計算

方針

曲線y=1/x2x=uにおける接線をまず式で表し,その接線が反対側の枝上の点を通る条件を解く。P1からQ1では接点のx座標が2aになり,Q1からP2では4aになる。この倍率の規則を一般化してPnx座標を4n1aとし,三角形の面積は同じ形の計算を4n1aに置き換えて等比級数にする。

解答

(1)

曲線y=1/x2x=uにおける接線を求める。導関数は y=2x3 であるから,接線の方程式は y1u2=2u3(xu) すなわち y=2u3x+3u2 である。

この接線がP1(a,1/a2)を通るとすると 1a2=2au3+3u2 である。v=u/aとおくと 1=2v3+3v2 より v33v+2=0 である。因数分解して (v1)2(v+2)=0 となる。Q1は第2象限側の接点なのでu<0であり,v=2を選ぶ。したがって u=2a であり,Q1(2a,14a2) である。

(2)

次にQ1からC1へ引いた接線の接点をP2=(u,1/u2)とする。接線 y=2u3x+3u2Q1(2a,1/(4a2))を通るので 14a2=4au3+3u2 である。w=u/aとおくと 14=4w3+3w2 すなわち w312w16=0 である。これは (w4)(w+2)2=0 と因数分解でき,第1象限側の接点なのでw=4である。よって P2(4a,116a2) である。

三角形P1Q1P2の面積は,P1=(a,1a2),Q1=(2a,14a2),P2=(4a,116a2)よりS1=123a34a23a1516a2=12(4516a+94a)=8132aである。

(3)

上の計算から,C1上の点(s,1/s2)からC2へ接線を引くと接点のx座標は2sであり,そこから再びC1へ接線を引くと次の接点のx座標は4sである。したがって Pn=(4n1a,1(4n1a)2) である。

(2) の面積公式は,aを一般のsに置き換えると 8132s である。ここでs=4n1aとすれば Sn=81324n1a である。

(4)

(3) よりSnは初項81/(32a),公比1/4の等比数列である。したがってn=1Sn=8132a(1+14+142+)=8132a111/4=278aである。

2つの枝を交互に結ぶ接線

接点の x 座標は a2a4a と変化する。

別解

方針

接点の座標は接線条件から求める。一般項では、変換 (x,y)(4x,y/16) が曲線 y=1/x2 を保ち、三角形を次の三角形へ移すことを使う。面積倍率は変換の行列式から直ちに 1/4 となる。

解答

(1)

x=u における接線y=2u3x+3u2P1=(a,1/a2) を通る条件を v=u/a で整理すると(v1)2(v+2)=0となる。第2象限の接点を選んでQ1=(2a,14a2)を得る。

(2)

同様に Q1 から第1象限側への接点はP2=(4a,116a2)である。3点の座標から行列式で面積を求めるとS1=8132aとなる。

(3)

平面の変換T(x,y)=(4x,y16)を考える。y=1/x2 上の点は再び同じ曲線上へ移り、接線も接線へ移るからT(Pn)=Pn+1,T(Qn)=Qn+1である。変換行列の行列式の絶対値は4116=14なので、三角形の面積も毎回 1/4 倍になる。したがってSn=8132a(14)n1である。

(4)

等比級数を足してn=1Sn=8132a111/4=278aを得る。

総評

難度7、計算量6。接線の方程式を正確に立て,反対側の枝を選ぶために符号条件を使うことが第一の山である。u/aで無次元化すると因数分解が見えやすく,2倍,さらに4倍という規則に気づける。(2)の面積は行列式の符号より絶対値を取ること,(3)(4)では面積が公比1/4になることを明記したい。目安時間は20分前後。

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出典: 九州大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。