方針
記録された数の和の偶奇だけを見る.偶数カードを引くと偶奇は変わらず,奇数カードを引くと偶奇が反転するので,について一次漸化式が立つ.はkの偶奇で分けて,偶数ラベルのカード総数と奇数ラベルのカード総数を和で計算する.漸化式はの形に直すと等比数列になる.初期値は0回の和が偶数であることを使うと簡潔である. はカードの種類数ではなくカード枚数である点を最初に固定する.
解答
(1)
全カード枚数はである.1回だけ取り出すとき,記録された和が偶数になるのは偶数が書かれたカードを引くときである.したがって である.
2回取り出すとき,和が偶数になるのは,偶数を2回引く場合,または奇数を2回引く場合である.毎回カードは戻すので各回は同じ確率であり, である.
(2) 回までの和が偶数で,回目に偶数カードを引けば,和は偶数のままである.また,回までの和が奇数で,回目に奇数カードを引けば,和は偶数になる.したがって である.
(3) が偶数の場合,とおく.偶数が書かれたカードの枚数は であり,奇数が書かれたカードの枚数は である.よってである. が奇数の場合,とおく.偶数が書かれたカードの枚数は であり,奇数が書かれたカードの枚数は である.したがってである.
(4)
(2) を整理するとである.両辺からを引くととなる.
0回の記録では和は0で偶数だから,と考えることができる.したがって であり, である.よって である.
(3) の結果を代入してである.
別解
解法2
方針
各回に偶数カードを引いたら ,奇数カードを引いたら となる変数を対応させる.その積が であることと,記録和が偶数であることは同値である.積の平均を独立性から計算すると, を直接求められる.
解答
(1)
偶数カードを引く確率をとする.1回では2回の和が偶数であるのは偶数2回または奇数2回だから(2)
回までの和が偶数で次に偶数を引く場合と,奇数で次に奇数を引く場合を加えてである.
(3)
のときだから のときだから(4)
回目に偶数カードを引いたら ,奇数カードを引いたら とする.積は,奇数カードを引いた回数が偶数,すなわち記録和が偶数のとき ,それ以外では である.したがってこの積の平均は一方,各回は独立でだから,積の平均はである.よって(3)を代入するとである.
総評
難度6,計算量5,目安時間22分.偶奇2状態の確率漸化式と,値が の変数の積の平均を使う直接法を収録した. はカードの種類数ではなく枚数であり,kの偶奇で和を分ける.最終式の符号がkの奇数時だけ になることを確認する.