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九州大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

表と裏の出る確率が12ずつの硬貨を投げ,表なら1点,裏なら0点とする。
knを正の整数として,以下の問いに答えよ。

(1) 硬貨を繰り返し投げ,得点の合計が3点に達したら終了することにする。
ちょうど5回目で終了する確率はいくらか。また,ちょうどn回目で終了する確率をqnとするとき,
i=1nqi=1n2+n+22n+1を証明せよ。

(2) 硬貨を繰り返し投げ,得点の合計がk点に達したら終了することにする。
ちょうどn回目で終了する確率をpk(n)とする。
kを固定したままnを動かすときのpk(n)の最大値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安15

確率場合の数 数え上げ、範囲評価、数学的帰納法

方針

終了する回は必ず表が出た回であり,その直前までに必要な表の枚数がちょうどそろっている。この条件からqnpk(n)を直接数える。(1)の累積確率は,n回までに終了していない事象を「表が高々2回」と数えると短く証明できる。(2)の最大値は,隣り合う確率の比pk(n+1)/pk(n)を調べ,増加から減少へ変わる場所を特定する。

解答

(1)

得点の合計が3点に達してちょうど5回目で終了するには、5回目が表で、はじめの4回のうち表が2回出ればよい。したがって確率は4C225=316である。

一般に、ちょうど n 回目で終了する確率はqn=n1C22n(n3)であり、q1=q2=0 である。

n 回目までに終了していないのは、n 回の中で表が0回、1回、2回のいずれかである。よってi=1nqi=1nC0+nC1+nC22n=1n2+n+22n+1となる。

(2)

ちょうど n 回目で k 点に達するには、最後が表で、その前までに表が k1 回出ればよい。したがってpk(n)=n1Ck12n(nk)である。

k=1 では p1(n)=2n だから、最大値は 1/2 である。k2 ではpk(n+1)pk(n)=n2(nk+1)であり、この比が1以上となるのは n2k2 のときである。よって最大は n=2k2,2k1 の2か所で生じ、最大値は2k3Ck122k2である。

k=4 の終了時刻分布

k=4 では n=6,7 が同じ最大値をとる。一般に最大位置は 2k2,2k1

別解

方針

終了時刻の確率 qn を直接求め、累積確率の公式を数学的帰納法で証明する。(2) は二項係数の隣接比ではなく、確率列そのものの隣接比から最大位置を決める。

解答

(1) q5=4C225=316,qn=n1C22nである。n=1 ではi=11qi=0=112+1+222である。公式が n で成り立つと仮定するとi=1n+1qi=1n2+n+22n+1+nC22n+1=1n2+3n+42n+2=1(n+1)2+(n+1)+22n+2となる。したがってすべての正の整数 n で公式が成り立つ。

(2) pk(n)=n1Ck12nである。k=1 の最大値は 1/2k2 についてpk(n+1)pk(n)=pk(n){n2(nk+1)1}の符号は 2k2n の符号と一致する。したがって最大位置は 2k2,2k1 で、最大値は2k3Ck122k2である。

総評

難度6、計算量5。終了時刻の問題では「最後は表」「その直前までに表が何回か」を正確に数えることが第一である。(1)の累積確率は直接和を計算するより,まだ終了していない場合を補集合で数えると見通しがよい。(2)は隣接比の不等号を解くとき,n2k2となる向きを間違えないことが重要である。目安時間は15分前後で,k=1だけは別扱いする。

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出典: 九州大学 2010年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。