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九州大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

次のような競技を考える。
競技者がサイコロを振る。
もし,出た目が気に入ればその目を得点とする。
そうでなければ,もう1回サイコロを振って,2つの目の合計を得点とすることができる。
ただし,合計が7以上になった場合は得点は0点とする。
この取り決めによって,2回目を振ると得点が下がることもあることに注意しよう。
次の問いに答えよ。

(1) 競技者が常にサイコロを2回振るとすると,得点の期待値はいくらか。

(2) 競技者が最初の目が6のときだけ2回目を振らないとすると,得点の期待値はいくらか。

(3) 得点の期待値を最大にするためには,
競技者は最初の目がどの範囲にあるときに2回目を振るとよいか。

難易度4/ 10計算量4/ 10目安10

確率 期待値、場合分け、不等式評価

方針

この競技は最初の目を見てから選択できるので,最初の目iごとに「そのままi点を取る場合」と「もう一度振る場合の期待値」を比較する。(1)(2)では全事象を数え上げるが,合計が7以上なら0点になるため,有効なのはi+j6の組だけである。(3)では各iに対する条件付き期待値を表にして,局所的に有利な選択を選べば全体の期待値も最大になる。

解答

(1)

1回目をi,2回目をjとする。常に2回振るとき,得点はi+j6ならi+ji+j7なら0である。したがって有効な和は21+32+43+54+65=2+6+12+20+30=70である。全事象は36通りだから,期待値は 7036=3518 である。

(2)

最初の目が6のときはそのまま6点を取る。最初の目がi=1,2,3,4,5のときは2回目を振るので,期待値は166+136i=15j=16{i+j(i+j6),0(i+j7)である。内側の有効な合計を並べると,i=1,2,3,4,5に対して 20,18,15,11,6 であり,総和は70である。よって 1+7036=1+3518=5318 である。

(3)

最初の目がiのとき,2回目を振ると得点が正になるのはj6iの場合だけである。したがって,2回目を振る場合の条件付き期待値EiEi=16j=16i(i+j) である。各iについて計算するとi123456Ei10335211610である。

そのままにすれば得点はiであるから,Ei>iのときは振り直し,Ei<iのときはそのままにするのがよい。表より E1>1,E2>2, であり,i=3,4,5,6ではEi<iである。したがって期待値を最大にするには 最初の目が 1 または 2 のときだけ2回目を振る のがよい。

なお,Eiを式で処理しても Ei=(6i)(i+7)12 であり,Ei>ii2+13i42<0 となる。整数i=1,2,,6の中では,やはりi=1,2だけが該当する。

止める得点と振り直す期待値

青が橙より上にある i=1,2 のときだけ、2回目を振る。

総評

難度4、計算量4。期待値の問題だが,最初の目を見た後に選択できるため,最初の目ごとの条件付き期待値を比較するのが核心である。(1)(2)では合計が7以上の事象を0点として扱うこと,(3)では全体を一つの複雑な戦略として考えず,各iで有利な方を選ぶことが採点上のポイントになる。目安時間は10分程度で,表を作って比較まで示せば誤読を防ぎやすい。

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出典: 九州大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。