方針
が放物線上を動くので,とおいてと表す。軌跡が指定された曲線上にある条件はの恒等式として係数比較する。(1)では放物線上に「乗る」だけでなく「全体を動く」ためにが全実数を動く条件を確認する。(3)ではが直線全体を動くため,二次項が残ると値域が半直線型になり全体にはならないことまで示す。
解答
(1)
が上を動くので, とおく。このとき である。が放物線上にあるためには,すべての実数について が成り立つ必要がある。展開すると である。係数を比較して を得る。したがって である。
さらに,が放物線の全体を動くには,がすべての実数値を取る必要がある。したがってである。よってである。このときは全実数を動き,となるので,確かに放物線全体が得られる。
(2)
円の条件は すなわち である。,を代入すると がすべてので成り立つ。
の係数から である。は実数なので である。すると恒等式は となる。の係数より,さらにの係数よりである。したがってである。このときであり,確かに円上の点である。
(3)
に対して である。のときだから,が動く直線は原点を通る直線でなければならない。
まずかつなら である。はすべての実数を動くので,は原点を通り方向ベクトルをもつ直線全体を動く。この直線は で表される。
逆に,がある直線全体を動くとする。するとすべてのは同じ一本の原点を通る直線上にあるので,とは同じ方向を向くか,どちらかが零ベクトルでなければならない。もしなら,その直線上の座標は という二次式で表される。二次式の値域は下または上に限界をもつため,直線全体を動くことはできない。したがって でなければならない。さらにならは原点だけにとどまり,直線全体を動かない。よって必要十分条件は である。
別解
方針
と置き、像を と見る。(1)(2)は恒等式の係数比較で決める。(3)では2つの係数ベクトルが直線方向に並ぶことと、非定数二次式の値域が全実数にはならないことを組み合わせる。
解答
(1) を へ代入し、 の恒等式として係数比較するとを得る。放物線全体を動くには が全実数を動く必要があるから である。よってである。
(2)
へ代入する。 の係数は なので である。残りはであり、係数比較から を得る。したがって零行列だけが条件を満たす。
(3)
が原点を通る1本の直線上にあるなら、ベクトルは同一直線方向にある。 の場合、適当な方向ベクトル と実数 を用いてと書ける。しかし非定数二次式 の値域には上限または下限があり、直線全体を動けない。 の場合も は半直線しか動かない。
したがって必要なのはすなわちである。このとき は実際に直線全体を動き、その方程式はである。
総評
難度7、計算量7。係数比較自体は標準的だが,「曲線上にある」と「曲線全体を動く」の違いが難所である。(1)ではを許すと一点だけになってしまうためが必要であり,(3)では二次式の値域が全実数にならないことを説明する必要がある。目安時間は22分前後で,必要条件だけで終わらず,得た行列が本当に条件を満たすことまで確認したい。